ビズリーチでスカウトの返信率が上がらない最大の原因は、文面の質ではなく「アプローチする相手」のズレにあります。 「数打てば当たる」という消耗戦から脱却し、今まさに転職を考えている”ホットな層”だけを狙い撃つロジックが必要です。 工数を劇的に削減しながら成果を最大化する、**データベースを無駄遣いしないための勝てる運用術を解説します。
目次
ビズリーチの返信率が低い根本原因
ビズリーチでスカウトを送っても返信が来ない。この悩みを抱える採用担当者は非常に多いです。結論から言うと、返信率が低い最大の原因は「転職意欲が低い人にスカウトを送ってしまっている」ことにあります。ビズリーチのTVCMを思い出してください。「年収査定」「市場価値診断」といった訴求が前面に出ています。つまり、「今すぐ転職したい人」だけでなく、「自分の市場価値を確認したいだけ」という層も多く登録しているということ。この層にいくらスカウトを送っても、返信は期待できません。
他の媒体では起きない問題
多くの採用担当者が陥るのが、スキルや経験、年収などの条件だけで候補者を絞り込み、該当者にスカウトを送るパターン。他の媒体であれば、ここに「転職意欲:高」というフィルターを追加できます。しかしビズリーチではこの設定項目がない。だから、条件は合っているのに転職する気がない人にもスカウトが届いてしまう。この構造的な問題を理解した上で、「転職意欲の高さ」を別の指標で見極める必要があります。その指標が、プロフィール更新日とタグ情報です。
249通→108通で同じ成果を出した改善事例
「運用を変えて本当に成果が出るのか」この疑問に対して、実際の改善事例をご紹介します。
改善前の状況
ある企業では、ビズリーチでのスカウト返信率が約4%に留まっていました。条件に合致する候補者を見つけては片っ端からスカウトを送る、いわゆる「数打てば当たる」方式を採用していたためです。月間のスカウト送付数は249通。しかし、返信があるのは10件程度。採用担当者の工数は膨大で、スカウト文面のカスタマイズもほとんどできない状態でした。
実施した施策
この企業が取り組んだのは、以下の3点です。
1. プロフィール更新日を2週間以内に限定 転職意欲の高い層に絞り込むため、プロフィール更新日でフィルタリング。送付対象となる候補者数は大幅に減少しましたが、アクティブな層に絞り込むことを優先しました。
2. ホット・更新タグを重視 検索条件に加えて、タグ情報を確認。転職顕在層である「ホット」「更新」タグがついた候補者を優先的にスカウト対象としました。
3. 1通あたりの文面品質を向上 送付数が減った分、候補者一人ひとりの経歴を読み込み、パーソナライズされたスカウト文面を作成する時間を確保しました。
改善後の成果
施策実施後、108通の送付で9件の返信を獲得。返信率は約8.3%に向上しました。
| 項目 | 改善前 | 改善後 |
| 送付数 | 249通 | 108通 |
| 返信数 | 10件 | 9件 |
| 返信率 | 約4.0% | 約8.3% |
| 工数 | 膨大 | 半減以下 |
注目すべきは、スカウトの送付数を半分以下に減らしても、返信数はほぼ同じだったという点。
同じ成果を半分以下の労力で達成できるようになったということです。そして、この「空いた時間」こそが最大の価値。余剰工数を他の採用活動に充てることで、さらなる成果につなげられるようになります。
プロフィール更新日を最優先すべき理由
ビズリーチで転職意欲を見極める最も信頼性の高い指標は、プロフィール更新日です。
プロフィール更新が示す「本気度」
プロフィールを更新するという行為は、非常に能動的な行動です。職務経歴書を見直し、スキルや実績を追記し、希望条件を調整する。これらの作業には時間と労力がかかります。わざわざこの手間をかけるということは、「本気で転職先を探している」という強いシグナル。
実際、プロフィールを更新したばかりのユーザーは、他の転職サービスと比較してもアクティブな傾向にあります。ビズリーチでプロフィールを更新したタイミングは「転職活動の本格スタート」を意味していることが多いのです。
プロフィール更新日でフィルタリングする方法
検索条件を設定する際は、プロフィール更新日を2週間以内に設定することをおすすめします。
この設定により、送付対象の約50%がアクティブな「更新」タグ付き候補者になります。後述するデータでも示しますが、更新タグ付き候補者の返信率は11%。これは新着候補者の7%を大きく上回る数字です。
ホット・更新・新着タグの違いと返信率データ
ビズリーチには候補者の状態を示すタグがあります。このタグを理解し、適切にアプローチすることで返信率は大きく変わります。
各タグの意味と特徴
ホット:ビズリーチで最も熱いタグ。企業と頻繁にやり取りをしている候補者に付与されます。1社とだけでなく、複数社と活発にコミュニケーションを取っている状態。確実に転職顕在層です。
更新:既存登録者がプロフィールを更新した状態。転職活動を再開・本格化させたサイン。ホットほど活発ではないものの、明確に動き出している層。
新着:新規登録したばかりの候補者。転職活動を始めたばかりで、まだ他社からのアプローチをあまり受けていない可能性があります。
実際の返信率データ
以下は、実際の運用データに基づく各タグの返信率です。

ホットタグは返信率29%と圧倒的。更新タグも11%で、新着の7%を大きく上回ります。
注目すべきは、タグなしでも返信率6%を記録している点。これはプロフィール更新日を2週間以内に絞り込んだ結果です。改善前の全体返信率4%と比較すると、更新日のフィルタリングだけで1.5倍に改善しています。
新着候補者の落とし穴
意外に思われるかもしれませんが、新着候補者は返信率が低い傾向にあります。
なぜか。ビズリーチには「新着候補者に無料でスカウトを送る」機能があります。多くの企業がこの機能を使うため、新着候補者のスカウト受信数は非常に多い。結果として、あなたのスカウトは大量のメッセージに埋もれてしまいます。新着だからといって飛びつくのではなく、ホット・更新タグの候補者を優先する方が効率的です。
「本日のピックアップ候補者」の活用法
ビズリーチのホーム画面に表示される「本日のピックアップ候補者」。この機能を活用している企業は意外と少ないですが、非常に効果的です。
ピックアップ候補者とは
ビズリーチが推奨する、アクティブな候補者のリストです。毎日8名が表示され、自社が掲載している求人に紐づく候補者が選ばれます。ビズリーチの裏側のデータ(実際にやり取りしているか、ログイン頻度など)に基づいて選定されているため、ここに表示される候補者は確実に転職顕在層。検索条件で絞り込むよりも、高い確度でアクティブな候補者にアプローチできます。
活用のポイント
毎日8名が更新されるため、20営業日で月間160名の高確度候補者にアプローチ可能。ただし、この機能には注意点があります。表示される候補者は、そのアカウントで掲載している求人に紐づくため、複数職種の求人を1つのアカウントで管理していると、様々な職種の候補者が混在して表示されます。特定の職種に絞ってアプローチしたい場合は、次のセクションで解説する「アカウント分け」が有効です。
アカウントを職種別に分ける運用術
ビズリーチを本格的に運用するなら、職種別にアカウントを分けることを強くおすすめします。
なぜアカウントを分けるのか
「本日のピックアップ候補者」は、そのアカウントで掲載している求人に紐づいて表示されます。例えば、1つのアカウントでエンジニア、営業、人事、マーケティングの求人を掲載していると、ピックアップ候補者にはこれら全職種の候補者が混在して表示されます。「今月は営業を強化したい」と思っても、営業職の候補者は8名中1〜2名しか表示されないことも。一方、営業職専用のアカウントを作れば、ピックアップ候補者8名全員が営業職に紐づく候補者になります。
アカウント追加に費用はかからない
重要なポイントとして、ビズリーチのアカウント追加に費用はかかりません。つまり、ノーコストで職種別の専用アカウントを作成できる。営業、エンジニア、バックオフィスなど、採用を強化したいポジションごとにアカウントを分けることで、ピックアップ候補者を最大限に活用できます。
運用例
アカウントA:営業職専用
- 掲載求人:法人営業、インサイドセールス、カスタマーサクセス
- ピックアップ候補者:すべて営業系職種
アカウントB:エンジニア専用
- 掲載求人:バックエンド、フロントエンド、インフラ
- ピックアップ候補者:すべてエンジニア職種
この運用により、毎日の「ピックアップ候補者」から効率的に該当職種の候補者にアプローチできるようになります。
求人票を年収別に分けるテクニック
候補者が求人を見るとき、最初にチェックするのは下限年収です。この心理を活用した運用テクニックを紹介します。
候補者は下限年収で判断する
「年収400万〜800万」という求人と「年収500万〜800万」という求人。上限は同じでも、候補者の印象は大きく異なります。多くの候補者は「自分はどのあたりで採用されるのか」を下限年収で判断します。上限800万と書いてあっても、「どうせ自分は下限に近いところだろう」と考えるからです。
同じポジションでも年収別に求人を分ける
この心理を活用するため、同じポジションでも年収帯別に複数の求人を作成します。
例:法人営業ポジション
- 求人A:年収400万〜600万(若手・第二新卒向け)
- 求人B:年収500万〜700万(ミドル層向け)
- 求人C:年収600万〜900万(マネージャー候補向け)
求人の内容は基本的に同じで構いません。下限年収を変えることで、それぞれの年収帯の候補者に「自分向けの求人だ」と認識してもらえます。
スカウト送付時の使い分け
候補者の現年収や希望年収を見て、適切な求人票を選んでスカウトを送る。これにより、「この会社は自分をちゃんと見てくれている」という印象を与えられます。
1通目の件名と2通目の本文で勝負が決まる理由
ビズリーチには独特の仕様があります。この仕様を理解した上でスカウトを設計することが重要です。
ビズリーチの表示仕様
チャット一覧には1通目の件名が表示され続けます。候補者がスカウトを見るかどうかは、この件名で決まる。一方、候補者がチャットを開いたときに最初に表示されるのは最新のメッセージ。つまり、2通目を送っていれば、開封後に最初に読まれるのは2通目の内容です。
1通目と2通目の役割分担
この仕様を踏まえると、1通目と2通目には異なる役割があります。
1通目の件名:チャット一覧で目を引く「看板」 候補者が一覧をスクロールしているときに、手を止めさせる力が必要。具体的な数字や、候補者の経歴に言及した内容が効果的です。
2通目の本文:開封後に読まれる「本命コンテンツ」 件名に惹かれて開いた候補者が最初に目にする内容。ここで興味を維持できなければ返信にはつながりません。
効果的な件名のパターン
- 「年収800万円以上可」「リモート週4日」など具体的な数字
- 「〇〇業界のご経験を活かせるポジション」など候補者の経歴への言及
- 「新規事業立ち上げメンバー募集」などポジションの魅力
2通目で意識すべきこと
1通目と同じ内容を送るのではなく、新しい情報を追加することが重要です。社内の雰囲気、具体的なプロジェクト事例、カジュアル面談の提案など、候補者が「返信してみよう」と思える材料を提供してください。
工数削減で生まれた時間を採用成果につなげる
ここまで紹介した運用術の最大の価値は、時間が空くことです。
「数打てば当たる」からの脱却
249通送って10件の返信。108通送って9件の返信。返信数はほぼ同じなのに、送付数は半分以下。これが意味するのは、141通分の作業時間が浮いたということ。1通あたりの作業時間を5分と仮定すると、約12時間の工数削減。月間で考えれば、まるまる1.5日分の時間が生まれる計算です。
空いた時間の活用先
この余剰工数を、さらなる採用成果につなげていくことが重要です。
1通あたりの品質向上:送付数が減った分、候補者のプロフィールをより深く読み込み、パーソナライズの質を高める。
他チャネルへの展開:ビズリーチ以外の媒体運用、リファラル採用の推進、採用広報など、手が回っていなかった施策に着手する。
採用ABMの実践:ハイレイヤー採用など、通常の運用では難しいターゲットに対して、時間をかけたアプローチを行う。
ビズリーチ運用の本質
ビズリーチ攻略の鍵は、「データベースを無駄遣いしない」こと。タクシーを拾うとき、走っている車を片っ端から止めようとする人はいません。「空車」ランプが点いている車だけに手を挙げるはずです。ビズリーチのタグ情報やプロフィール更新日は、この「空車ランプ」と同じ。今まさに転職を考えている人を見分けるサイン。ここを見極めてアプローチすることで、少ない工数で同じ成果を上げられるようになります。
そして、空いた時間をさらなる採用成果につなげていく。この好循環を作ることが、ビズリーチ運用の最適解です。
まとめ
ビズリーチの返信率が低い根本原因は、他の媒体と違って転職意欲が可視化されていないこと。この構造を理解した上で、プロフィール更新日やタグ情報を活用して転職顕在層を見極めることが重要です。
実践すべき運用術:
- プロフィール更新日を2週間以内に設定
- ホット・更新タグの候補者を優先(返信率11%)
- 「本日のピックアップ候補者」を毎日チェック
- 職種別にアカウントを分けて運用
- 求人票は年収別に複数作成
- ハイレイヤーには採用ABM大作戦
これらの施策により、送付数を半分以下に減らしながら、同じ返信数を維持することが可能です。
そして最大の価値は、空いた時間を他の採用活動に充てられること。工数削減と成果維持を両立させ、さらなる採用成果につなげてください。