「カジュアル面談を実施しても選考に繋がらない…」「面接ではないからどこまで踏み込んでいいのかわからず、質問が難しい」そんなお悩みを抱えている人事担当者は多いのではないでしょうか。
確かにこの売り手市場で、選ばれる企業になっていくのは難しいですよね。実際、私たちが支援している企業様からも、同じような相談をよくいただきます。
しかし、カジュアル面談には成功できる進め方があります。面接との違いを明確にし、事前準備、当日の進め方、そして何を聞くべきか、を正しく理解することで成功確率はかなり上がります。
本記事では、明日カジュアル面談を控えている方でもすぐ実践できるくらい、わかりやすくて具体的なカジュアル面談の成功マニュアルをお届けします。カジュアル面談を有意義な時間にしたいと思っている人事担当者は、ぜひ最後までチェックしてみてください!
目次
カジュアル面談と面接の違い
カジュアル面談と面接は似ているようで実は全然違います。面接と同じスタンスで進めてしまうと、求職者に誤解を与えてしまう恐れがあるので、まずは違いを明確に理解しておく必要があります。
具体的には下記のような違いがあります。
| 面接 | カジュアル面談 | |
| 目的 | 選考・合否判定 | 相互理解 |
| 主導権 | 企業側 | 相互 |
| 合否判定 | あり | なし |
| 質問内容 | 経験・スキル・志望動機 | 業務内容・残業・給料・相談 |
これだけは外せない!事前準備の3大ポイント
1. 担当者を決める
企業側のカジュアル面談のゴールは、求職者が自社に興味を持ってもらい、選考への意向をあげることであり、とても重要な場です。そのため、人を惹きつける力を持っている人に担当してもらう、もしくは年齢や経験、職歴など似たような経歴を持つメンバーに同席してもらいましょう。
そうすることで、求職者が抱えている不安や悩みに寄り添えたり、同じ目線から話すことができるので、企業にとっては求職者に刺さる企業の魅力を伝えることができ、求職者は知りたい情報を知ることができます。
特に、専門的な職種(エンジニアなど)の場合は、専門的な質問をされる可能性も高いので、同席させることを強くおすすめします。さらに、どんなメンバーが当日同席するのかというメンバーの情報を求職者に事前に伝えておくことで、質問内容が考えやすくなり、安心にも繋がります。
2. 事前に企業情報を共有しておく
上記で同席するメンバー情報を事前に求職者に送りましょうとお伝えしましたが、それだけではなく、企業情報を掲載している資料も一緒に送ることで、求職者側は、表面的な質問ではなくより踏み込んだ質問を考えることができます。
さらに、当日の目的や服装なども面接ではないということを事前に伝えることで、求職者もリラックスした気持ちで迎えられます。
3. アジェンダを決めて質問事項はリスト化しておく
カジュアル面談はリラックスした雰囲気で、お互いを深く理解するための時間ですが、ただ雑談をするだけでは求職者の意向は上がりません。そのため、お互いにとって有意義な時間になるよう、あらかじめアジェンダを決めて、質問事項はリスト化しておくことをおすすめします。
進め方と質問事項は下記に解説しています。
カジュアル面談の進め方|6ステップ
カジュアル面談の時間は、一般的に30-60分です。この限られた時間の中でお互いを理解するために時間配分のめやすをあらかじめ決めておくことをおすすめします。
1. 自己紹介(3-8分)
目的:求職者の緊張をほぐし、リラックスした空気感を作る。
まずは、担当者の人間性や背景を伝えることで、親近感を持ってもらい、場の空気を和らげましょう。具体的には、部署や業務内容だけでなく、趣味や出身地などを話すことで、そこから話が広がり、本題に入るまでに良好な関係を築くことができます。
また、企業側から声をかけていた場合、なぜあなたに声をかけたのかという理由を伝えておくことで、求職者は自身への期待を実感できるだけでなく、企業に対する信頼感の向上にも繋がります。
2. 面談の目的共有(1-3分)
目的:面接ではなく相互理解をするための時間であることの共通認識を持つため。
目的の共有は必ず行ってください。合否ではないことを明示することで、求職者の不安を軽減し本音を引き出しやすくなります。また、お互いのゴールをすり合わせることも忘れないようにしましょう。
具体的な会話例としては「この時間は、合否とは関係なく、お互いのことを知るための面談なので、リラックスして気軽になんでも聞いてください。」というように伝えてあげましょう。
3. 求職者の現状確認(2-5分)
目的:求職者の転職の温度感を知り求職者に合ったアプローチをしていくため
次に、求職者の現状を確認しましょう。情報収集段階なのか、転職活動を始めた段階なのか、積極的に転職活動を行っている段階なのか、など転職への温度感は人によって様々です。この相互認識ができているかで面談の満足度は変わってくるので必須で確認しましょう。
4. 企業説明(5-10分)
目的:求職者の興味関心・応募意欲を向上させるため
先ほど確認した求職者の状況に合わせて、自社の魅力づけを行っていきましょう。事業内容、社風、働く環境、将来のビジョン、キャリアパス、福利厚生など、ただ企業説明を行うのではなく、求職者のニーズに合った内容を伝えることが大切になってきます。
その際、資料や動画などを使いながら説明することで、求職者の理解力も上がりやすいです。適宜不明点がないか確認し、相手の反応を見て内容を変えていくことができると、応募意欲が高まるでしょう。
5. 質疑応答(20-30分)
目的:相互理解のため
カジュアル面談の中で一番時間を割くべきなのが質疑応答です。求職者の質問に対して、丁寧に、わかりやすく回答していきましょう。一方的に質問を求めたり質問攻めをするのではなく、求職者がリラックスして本音で話せるよう、対話を意識して進めます。
6. 今後についての案内(3-5分)
目的:求職者の意向を確認するため
面談を通して、選考に進んでほしい求職者には、面談の最後に意向を聞くようにしましょう。今後のステップについて説明をして、もし求職者が進みたいと言ってくれた場合は、選考スケジュールを伝えてあげてください。その場で聞けなかった場合は、当日中にメールでお礼や印象を伝え、さらに応募の手順や選考スケジュールを伝えるようにしましょう。
意向が高い間に送る必要があるため、ここはスピードがかなり重要です。
カジュアル面談で聞くべき質問集|項目別5選
カジュアル面談で求職者に聞く質問は、面接時とは異なります。
求職者の希望と自社の魅力がマッチしているかを確認でき、相互理解を目的とした質問をするようにしましょう。求職者がリラックスして話せるような空気作りも重要です。
1. 経験に関する質問
業務内容・役割・成果を対話の中で引き出せるような質問をしていきましょう。
「これまでのご経歴を簡単に教えてください」
「〇〇の業務を行う中で、特に苦労したことを教えてください」
「〇〇ではマネジメントも行われていたんですか?」
2. 現職に関する質問
求職者が現職において感じている課題や不安を確認しましょう。
「現在のお仕事の中で課題に感じていることはありますか?」
「現職において、何かもやもやしていることや懸念点はありますか?」
「転職を考え始めたきっかけを教えてください。」
3. スキルに関する質問
重視したいスキルがあれば、そこを掘り下げられるような質問をしていきましょう。
「先ほどの経験を通して得たスキルがあれば教えてください。」
「そのスキルは今後も伸ばしていきたいと考えていますか?」
4. キャリアや志向性に関する質問
働き方の軸や「これから」について深ぼっていくようにしましょう。
「今後キャリアを選ぶ上で大事にしたいことはありますか?」
「これまで最もやりがいを感じた瞬間を教えてください。」
「逆に一番ストレスを感じた瞬間を教えてください。」
5. 興味をもってもらった理由に関する質問
求職者がどの点に興味・関心を持ってもらったのかを確認しましょう。
「今回、カジュアル面談にきてくださった理由を教えてください」
「正直なところ、今の時点で当社にどんな印象をお持ちですか?」
「当社について、気になった点や疑問に思った点はありましたか?」
カジュアル面談を成功させる3つのコツ
1. 相手がリラックスできるような雰囲気をつくる
カジュアル面談とはいえ、緊張している求職者も少なくはないです。そのため、始めに合否をしないことを伝えるだけではなく、求職者が話している時は相槌を打つ、相手のテンポに合わせて話す、共感する、発言を否定しないなど、相手に合ったコミュニケーションを意識することで自然と相手もリラックスできます。
2. 次のステップを明確にする
面談のクロージングを本日のお礼だけで終わってしまうと、応募意欲が高まっていても求職者は次のステップがわからず、温度感も下がってしまいます。
そのため、面談の最後、もしくは当日中に必ず次のステップを具体的に伝えてください。ただ、マッチしないと判断した場合は、お礼のみを伝えるという対応も必要になってきます。
3. 評価ではなくマッチ度を確認する
カジュアル面談は、あくまでも相互理解が目的のため、面談を通して求職者を評価するのではなく、自社とどのくらいマッチしているかを確認する意識で進めましょう。求職者が評価されていると感じてしまうと、意向が下がることに繋がるので気をつけてください。
カジュアル面談でよくある失敗3選
1. 質問攻めをしてしまう
限られた時間の中で事前に用意した質問を全部聞くことにフォーカスしすぎてしまうと、求職者は萎縮してしまい、本音が話せなくなるケースがあります。
対策:質問リストはあくまでもめやすとして捉えて、求職者のニーズや会話の流れに合わせて柔軟に対応しましょう。
2. 自社アピールの場になってしまう
企業側が魅力を伝えたいと強く思ってしまい、相互理解の場であることを忘れ、一方的な自社アピールをしてしまうケースがあります。そうなってしまうと、求職者は本来聞きたかったことが聞けず、意向が低くなる可能性も高いです。
対策:始めに「どんな内容を知りたいですか?」と聞いておくことで、その情報を中心に伝えることができ、求職者にとっても有意義な時間に繋がります。また、事前に会社資料を送っておくことで概要を省くことができ、質疑応答にたっぷり時間を使えます。
3. 合否連絡をしてしまう
面談後、求職者に対して合否の連絡を送ってしまい、求職者を困惑させてしまうケースがあります。
求職者は、面接ではないと認識しているのでこのようなことが起こると、企業に対して不信感を抱いてしまう恐れがあります。
対策:カジュアル面談であっても、選考を兼ねる場合は、あらかじめ求職者にその旨を伝えておくようにしましょう。
まとめ|カジュアル面談で選ばれる企業に!
本記事では、カジュアル面談の進め方を中心に具体的な質問内容、よくある失敗などについて解説してきました。
カジュアル面談はお互いを理解するための貴重な時間です。
実施することでミスマッチを事前に防ぐことや、意向を上げることにも繋がります。
そのため、しっかり事前準備をして、当日は求職者と誠実に向き合い、カジュアル面談を成功させましょう!
よくある質問3つ
Q. カジュアル面談には職務経歴書や履歴書は用意してもらうべきでしょうか?
いいえ。カジュアル面談は選考を目的としないので、履歴書や職務経歴書の提出は不要とするケースが多いです。
Q. 話す割合はどのくらいをめやすに意識したら良いでしょうか。
面接は企業側が求職者を見定める場のため、話す割合としては、求職者:企業=8:2となりますが、カジュアル面談は、相互理解をする場のため、お互いが質問し合う場になります。そのため、話す割合としては、求職者:企業=5:5を意識すると良いでしょう。
Q. カジュアル面談の実施方法は何がいいですか。
方法としては、対面・オンライン・電話の3種類あります。これが絶対いいという方法はありませんが、30-60分という短い時間のためにオフィスに来社してもらうことを考えると、オンラインや電話で行う方が求職者にとって負担が少なく、企業側もより多くの方と面談を実施できるのでおすすめです。また、電話だと表情が見えないため、可能であればオンラインで行う方が信頼関係を築きやすく、意向も上がりやすいでしょう。