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採用ピッチ資料の作り方|15項目とAIで最短3週間で完成

採用企画 2026.05.12

スカウトを送っても返信が伸びない、カジュアル面談で毎回同じ会社説明に追われる、求人票だけでは自社の雰囲気や働き方が伝わらない。こうした手応えの鈍さから、採用ピッチ資料を作りたいと考え始めた方は多いのではないでしょうか。ただ、いざ手を動かそうとすると、何ページに何を書くのか、社内の誰に何を聞くのか、どのくらい工数がかかるのかが分からず、作業が止まってしまいがちです。

本記事では、採用ピッチ資料に入れる必須15項目、3〜4週間で初版を出すための5ステップ、AIを使って下書きを素早く仕上げるコツ、公開後に応募や返信へつなげる運用方法まで、実務で迷いやすいポイントを順番に整理しました。

読み終える頃には、自社の資料を作るためのタスクと担当者が見え、最初のスライドに手をつけられる状態になっているはずです。

1. 採用ピッチ資料とは?従来の会社説明資料との違い

採用ピッチ資料とは、候補者に向けて会社・事業・組織・求人情報を1つにまとめたスライド資料のことです。英語ではRecruit pitch deckと呼ばれ、候補者が入社判断に必要な情報を1冊で掴めることを目指して作られます。

「資料を作ったほうがいいのは何となく分かるが、採用サイトや会社紹介資料と何が違うのか整理できていない」という方も多いはずです。まずは既存の採用ツールとの役割の違いから見ていきましょう。

採用サイト・求人票・会社紹介資料との違い

同じ「会社を伝える」ツールでも、採用ピッチ資料は対象読者と用途が大きく異なります。まずは3種類との違いを整理しましょう。

ツール 対象読者 用途 更新頻度 盛り込む情報
採用サイト 幅広い候補者・一般層 SEO・ブランディング 年1回程度の大規模更新 ビジュアル中心、全ポジション横断
求人票 特定ポジションの応募検討層 条件提示と応募導線 ポジション単位で随時 条件・業務内容・給与
会社紹介資料(営業資料) 顧客・取引先 事業の信頼性訴求 半年〜1年 事業・実績・導入事例
採用ピッチ資料 カジュアル面談前後の候補者 入社判断の材料提供 半年ごと 会社・組織・働き方・求人を1冊で

採用サイトは公開前提で更新コストが高く、会社の雰囲気まで詰めるには向きません。求人票はポジション単位で条件を並べるツールのため、会社全体のカラーや働き方までは伝えきれません。会社紹介資料は顧客向けに作られるため、候補者が知りたい「働く情報」が抜け落ちます。採用ピッチ資料はこの隙間を埋め、候補者が入社判断に使う情報をコンパクトに1冊へ集約するポジションにあります。

作る企業が増えている背景

ここ数年で採用ピッチ資料を用意する企業が急増している背景には、採用手法と候補者行動の変化があります。

まず、ダイレクトリクルーティングやスカウト型採用の比重が高まり、候補者が自分で情報を集める時間が長くなりました。候補者は1社だけを見るのではなく、求人票を見たあとに検索・SNS・口コミサイトを回遊し、5社前後を並行比較します。その中で「どんな会社か」を1つの資料で渡せると、他社比較の途中で離脱されにくくなります。

次に、良いことばかり書かれた資料への不信感が強まっています。課題や失敗も率直に書く透明性が当たり前になり、ポジティブ一辺倒の資料は逆に信頼を落とす方向に働きます。リモートやハイブリッドでの面接が定着し、対面で伝えていた空気感を資料で補う必要が出てきたことも、作成企業が増えている一因です。2026年時点では、スカウトとリモート面接を前提にした情報設計が採用活動のスタンダードになりつつあります。

採用ピッチ資料で得られる4つの効果

採用ピッチ資料を作ると、採用活動のいくつかの場面で効いてきます。

スカウト・応募時点での候補者スクリーニング

資料を読んで合わないと感じた候補者が自然に離脱するため、面談工数が浮きます。

カジュアル面談の前提知識を揃える

会社説明に30分かかっていたところが5〜10分に短縮され、残り時間を相互理解に使えます。

社員紹介・リファラルの共通資産になる

社員が知人に会社を説明する時に「まず読んでみて」と渡せる資料があると、紹介のハードルが下がります。

作る過程で自社の強み・課題が言語化される

社長・現場・直近入社者の言葉を集める過程で、採用以外の経営メッセージも磨かれます。

2. 採用ピッチ資料に入れる15項目と書き方

採用ピッチ資料は「会社・事業」「組織・文化」「求人情報」「オプション」の4ブロック計15項目で構成するのが基本形です。まず全体像を早見表で押さえ、そのうえで各項目の書き方を見ていきます。

カテゴリ # 項目 枚数目安
会社・事業 1 MVV(ミッション・ビジョン・バリュー) 1〜2枚
会社・事業 2 会社概要 1枚
会社・事業 3 事業内容 2〜3枚
会社・事業 4 市場環境 1枚
会社・事業 5 今後の展開 1枚
組織・文化 6 組織図 1枚
組織・文化 7 働き方 1〜2枚
組織・文化 8 評価制度 1枚
組織・文化 9 社員紹介 3〜5枚
組織・文化 10 行動指針(バリュー) 1枚
求人情報 11 募集ポジション 1〜2枚
求人情報 12 求める人物像 1枚
求人情報 13 選考フロー 1枚
オプション 14 よくある質問 1〜2枚
オプション 15 最後のメッセージ 1枚

会社・事業を伝える5項目の書き方

会社・事業パートは、候補者が「何をやっている会社か」を30秒で掴めるかどうかで読了率が決まります。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

この会社がなぜ存在するのかを1スライドに落とし込む項目です。MVVが整備されていない会社は、現社長の起業ストーリーで代用できます。

会社概要

設立年・従業員数・拠点・売上推移を入れ、数字は直近3年分まで載せると成長実感が伝わります。

事業内容

サービス画像・顧客セグメント・主要導入事例をセットで見せると、候補者が「どんな顧客に何を届けているか」を1枚で掴めます。

市場環境

自社がいる市場の規模・伸び率・ポジションを添えると、「なぜ今ここに人が必要か」が自然に繋がります。

今後の展開

今期の注力領域と3年後のありたい姿を、公表できる範囲で具体的に書きます。業界No.1といった表現だけを強調するのは避け、シェア・受賞・指標など根拠とセットで書くと信頼感が出ます。

組織・文化を伝える5項目の書き方

候補者が最も気になるのは、入社した後に誰と・どのように働くかというイメージです。

組織図

部門構成・各部門のミッション・代表者まで書き、入社後に誰の下で働くかが想像できる粒度を目指します。

働き方

リモートと出社の比率、コアタイムの有無、フルフレックスか、副業可否を具体的な数字で書きます。「柔軟な働き方」のような表現は、週2日出社・残り在宅のように実態ベースへ置き換えましょう。

評価制度

評価頻度・等級・昇給幅の目安まで踏み込みます。定性評価だけで逃げず、どんな行動が評価されるかの事例を1つ添えると納得感が増します。

社員紹介

写真・名前・入社理由・1日のスケジュールをセットで載せ、最低3名、ポジションの近い人を優先します。

行動指針(バリュー)

日常で実際に使われている言い回しとセットで紹介し、使われていないバリューは無理に入れないほうが透明性を保てます。Z世代の候補者には、禁止ルールの列挙より「選べる幅」を提示するほうが響きやすい点も押さえておきましょう。

求人情報を伝える3項目の書き方

求人情報パートは、求人票と同じ情報を貼り付けて終わらせるのではなく、候補者が「この役割を自分がやる絵」を描けるかを基準に書きます。

募集ポジション

業務内容の羅列ではなく、このポジションの役割・期待・半年後のゴールで構成します。「半年後にはAプロダクトのリードを担ってほしい」のように時間軸を入れると、応募後のイメージが鮮明になります。

求める人物像

誠実な人・主体的な人のような抽象語を避けて、違和感を感じたら会議中でも質問できる人、といった行動レベルで書きます。

選考フロー

何回・何分・誰が出るかを図解し、リモートと対面の別も明記すると、現職中の候補者が日程を組みやすくなります。

候補者視点では、この会社を選ぶ場合と選ばない場合の両方を自分で判定できる情報量が理想です。求める人物像に「こういう人には合わないかもしれません」と一言添えるだけでも、入社後のミスマッチは大幅に減ります。

オプションで入れると効く2項目

よくある質問

候補者から実際に出た質問トップ5を載せるのがおすすめです。残業時間・評価のタイミング・入社後の研修など、面談で繰り返し聞かれる項目をそのまま書けば自然に埋まります。

最後のメッセージ

社長ではなく現場リーダーや直近入社者など、入社後に近い距離で働く人から書くと効果的です。社長メッセージだけだと上からの発信に見えがちで、現場の温度感が伝わりにくいためです。そして最後のページには必ず「次の一歩」として、カジュアル面談の予約リンクまたはエントリー導線を置いて締めます。

3. 採用ピッチ資料を3週間で作る5ステップ

採用ピッチ資料は、一般的に「作るのに2ヶ月かかる」と言われがちです。ただ、工程を分解して役割分担を明確にすれば、3〜4週間で初版を公開できます。ここでは週1〜週3にどのタスクを置くかのモデルケースを示します。

STEP 主なタスク 所要
開始日 STEP1 目的・ターゲット設計 1日
1週目 STEP2 社内取材 約1週間
2週目前半 STEP3 たたき台制作 3〜4日
2週目後半〜3週目前半 STEP4 社内レビュー・デザイン 約1週間
3週目後半 STEP5 公開・導線設置 3日

STEP1|目的とターゲットを1枚で決める

最初の1日で決めるのは、「誰に・何を伝え・読み終えたあと何をしてほしいか」の3点です。ここが曖昧なまま取材に入ると、集まる情報がぼやけて後工程で書き直しが発生します。

ターゲットは「エンジニア全般」のような広い粒度ではなく、3年目以降のWebアプリエンジニアで、現職は受託中心、自社サービスに挑戦したい層といったレベルまで絞ります。同じ紙にスクリーニング基準も書いておきましょう。この人には合わない、と候補者自身に気づいてもらえるような条件を1〜2個入れると、応募後のミスマッチが減ります。最初の一歩として、A4の白紙に「対象/伝えたいこと/読後の行動」を箇条書きで書き出すだけでも十分です。

STEP2|社内から情報を集める取材設計

取材は社長・現場リーダー・直近入社者の3名に30分ずつヒアリングするのが最小構成です。この3人分の素材があれば、経営メッセージ・現場のリアル・候補者目線の3つの視点を揃えられます。

質問例としては、「入社を決めた一番の理由」「入社前に知っておきたかったこと」「1年後に辞めた人がいた場合、その人の辞めた理由」などが有効です。録画や文字起こしはZoomの自動文字起こし、Otter、Nottaなどで事足ります。取材の順番としては、先に現場を聞き、最後に社長という流れがおすすめです。現場で拾った生の言葉を社長にぶつけることで、社長側からも本音が引き出しやすくなります。

TEAM-Xの支援現場でも、求人票を作る前段階で現社員が入社を決めた理由を言語化しておくと、スカウト文のフックにも採用ピッチ資料にも流用できるケースが多く見られます。1回の取材で複数のアウトプットにつなげる発想を持っておくと、社内の協力も得やすくなります。

STEP3|構成とスライドのたたき台を一気に仕上げる

3〜4日を目処に、15項目の枠にSTEP2で集めた素材を当てはめ、1枚1メッセージで箱をまず並べます。

ここで重要なのは、デザインに手を付けず、Googleスライドなどの素のフォーマットで文字だけ埋める点です。見た目を整え始めると手が止まり、結果的に制作期間が延びがちです。書けない項目は空欄のまま残し、追加取材リストに入れて次へ進みましょう。完璧を目指さず、まず空欄も含めた1セットを形にすることが、初版を早く出すための最大のコツです。ページ数は25〜35枚を目安とし、40枚を超えた場合は削る方向で再設計します。

STEP4|社内レビューから修正、そしてデザイン仕上げへ

レビューは、社長・現場リーダー・入社1年以内の社員の3枠に絞るのがおすすめです。関係者を増やすほど意思決定が止まり、言い回しの好みで方針が揺れます。

フィードバックは「事実が違う」「誤解を生む」「抜けている」の3観点に限定し、「もっと良く見せたい」系の修正は採用しません。デザインはCanvaの採用ピッチテンプレや、PowerPoint・Googleスライドの標準機能で処理できる範囲に留めると、制作期間が大きくブレません。外注でデザインを磨き上げるのは、初版公開後に効果を見てからで十分です。

STEP5|公開してスカウト・面接前送付に組み込む

最後の3日で、公開場所の決定と導線への組み込みを進めます。

公開場所は、自社採用サイト・Speaker Deck・note・Notionの4択から選びます。検索経由の流入を狙うならSpeaker Deckとnoteが定番で、認知検索で会社名と一緒に引っかかりやすくなります。スカウト本文の末尾には、資料リンクと「10分で読めます」という所要時間を添えると、開封率とリンククリック率が伸びます。カジュアル面談の予約完了メールにも同じリンクを添付し、面談冒頭の会社説明を5分まで圧縮するのがゴールです。

4. AIを使って採用ピッチ資料のたたき台を素早く作る方法

採用ピッチ資料は情報量が多いため、ゼロから文章を書くフェーズで手が止まりがちです。ChatGPTやClaude、GeminiなどのAIをたたき台生成の相棒として使うと、ここの工数を大きく圧縮できます。ただし、最終判断は人が行う前提を崩さないことが品質維持の分かれ目です。

任せていいこと 人間が判断すべきこと
構造化・言い換え・要約 事実の正誤判断
質問リスト・プロンプト生成 求める人物像の最終決定
初稿レビューの壁打ち 社員本音の選別・言語化

AIが得意な5つのこと

AIが得意なのは、すでにある情報を整理したり、別の言い回しに変換する作業です。

項目の構造化

集めた情報のかたまりを15項目に仕分けさせる使い方があります。社内取材で出てきたバラバラのコメントを、会社・組織・求人・オプションのどこに当てはまるかを整理してもらえます。

曖昧表現の言い換え

誠実な人のような表現を、違和感を会議中に質問できる人のように場面ベースで書き直す候補を3つ出してもらうと、スライドの表現が一気に具体化します。

取材質問リストの生成

「当社のMVVを社員目線で語ってもらうための質問を10個挙げてください」のようなプロンプトで、ゼロから10分で叩き台が作れます。

インタビュー文字起こしの要約

入社理由・入社前に知りたかったこと・辞めた人の理由など、観点ごとに抽出してもらう使い方が実用的です。30分の取材データから10分でスライド素材に落とし込めます。

初稿レビューの壁打ち

「この1スライドから読み取れないことは何か/候補者が誤解しそうな表現はどこか」と問いかけると、人には気づきにくい抜けを指摘してくれます。

AIに任せてはいけないこと

AIは高速で案を出してくれる一方で、事実判定や自社固有の言語化は任せられません。

自社の事業方針が現状とずれていないか、組織の実態と合っているかの判断は、情報を知らないAIにはできません。求める人物像の最終決定や、社員インタビューから採用する「本音」の選別も、人間の判断領域です。AIが生成した社員紹介文や創業エピソードをそのまま載せると、事実と乖離する危険があります。必ず本人に確認を取る工程を残しましょう。社員のプロフィール写真をAI生成画像で代用するのも避けるべきで、実在の人物写真を使うのが前提です。

入力していい情報・NGな情報の切り分け

AIを使う時に最も事故が起きやすいのが、機密情報や個人情報の入力です。

OKなのは、公開済みのHP・IR情報・求人票、社員本人の許可を得た発言の文字起こしなどです。一方で、氏名と年収の組み合わせ、未公開の決算数値、未リリース事業の社内資料、顧客名の羅列はNGです。社内で使うなら、ChatGPT TeamやEnterprise、Microsoft Copilotなど、社内に閉じたBiz版を選ぶほうが安全です。無料版を使う場合は、データが学習に利用されないオプションを設定し、有料版でもデータ学習オフを確認する手順を運用ルールに書いておくと安心です。

最初の一歩|自社の1スライドをAIで書き直してみる

まず体感するには、既に社内にある会社紹介資料から1枚を選び、ChatGPTなどに「採用ピッチ資料のスライド1枚に書き直してください。候補者(3年目エンジニア)目線で」と投げてみるのが早道です。

出てきた案を見て、事実が違う・温度感が違う・言葉が固いの3つの観点でフィードバックを返し、再生成を2〜3回繰り返します。30分程度でBeforeとAfterが1枚作れることを体感すると、全体の制作でどこにAIを使えるかの勘所が掴めます。そこから全項目に広げていくと、工数を半分以下に圧縮しながら品質を落とさずに仕上げられます。

5. 採用ピッチ資料を公開・運用する4つの方法

採用ピッチ資料は、作り終わった瞬間がスタート地点です。公開場所と導線を整えて、日々の採用活動に組み込んで初めて効果が出ます。ここでは4つの活用シーンと、それぞれでの使い方を整理します。

Web公開で指名検索と比較検討の受け皿にする

Speaker Deck・note・自社採用サイトのいずれかに埋め込み、社名と採用で検索された時の受け皿にする使い方です。

SEOでの新規流入を狙うというより、他社比較で迷っている候補者が「あの会社どんな感じだったか」と戻ってきた時に、詳しい情報へスムーズに進める動線として設計します。資料タイトルを会社名+「を知ってもらうための資料」のように統一すると、検索キーワードともマッチしやすくなります。

スカウト・ダイレクトリクルーティングで返信率を上げる

スカウト本文の後半に、資料リンクを定型で添付する運用です。

ビズリーチ・Wantedly・LinkedInなど媒体ごとに本文のルールや文字数制限が違うため、差し込み位置は媒体ごとに最適化します。リンククリック率を計測し、サムネイル・添付位置・紹介文言をABテストすると、改善サイクルが回せます。TEAM-Xの支援現場では、ビズリーチ新規掲載の初週にスカウトを集中的に送る立ち上げ運用を採用しており、初週にどこまで打ち切るかで返信の立ち上がりが大きく変わる傾向が見えています。採用ピッチ資料を添えると、初週のスカウトに厚みを持たせられます。

カジュアル面談・一次面接前の事前共有で候補者体験を上げる

予約完了メールに資料リンクを入れ、面談冒頭の会社説明を5分以内に短縮する使い方です。

前提知識が揃っている状態で面談が始まると、候補者の質問が浅い情報確認から「自分がどう活躍できるか」に変わります。ただし、読んだかどうかを面談冒頭で確認するのは避けましょう。読まされた感が出ると、せっかくの事前共有が逆効果になります。

リファラル・アルムナイで社員が配れる共通資産にする

社員がリファラル先に会社を説明する時に、「まず読んでみて」と共有できる資料として活用します。

社内SlackやNotionに固定し、社員が外部に持ち出しやすい状態にしておくのがポイントです。退職者向けにも同じ資料を送り、再入社や新たな紹介の導線として使うケースも増えています。

6. 失敗しやすい5つのパターンと回避のコツ

採用ピッチ資料は、作ること自体より「作った後にどう機能させるか」で差が出ます。初版公開後に失敗しやすい5パターンと、その回避のコツを整理します。

# 失敗パターン 起きること 回避のコツ
1 情報の盛り込みすぎで50ページ超え 最後まで読まれない 30枚基準で削る/ダイジェスト別出し
2 曖昧な言葉の羅列 候補者に伝わらない 抽象語→具体数字・場面への言い換え
3 良いことしか書かない 比較検討で信頼を落とす 課題+打ち手+入社者への期待をセット
4 公開後1年以上更新されない 情報の古さで温度が下がる 半年ごとの更新日固定+担当者2名体制
5 効果測定をしない 改善が進まず「作っただけ」で終わる PV・開封率・予約率を月1でふりかえる

パターン1|情報を盛り込みすぎて50ページ超え

熱心に作るほどページ数が増え、気がつくと50〜60枚になっているケースは非常に多く見られます。

30枚を超えたら削る方向で再設計するのが基本方針です。削る基準は「このスライドがなくても候補者が入社判断できるか」という問いです。判断に影響しないスライドは思い切ってカットし、補足情報は別資料に切り出します。スカウト添付用には5〜7枚のダイジェスト版を別に作り、興味を持った候補者にフル版を送る二段構えが機能しやすい運用です。

パターン2|「柔軟な働き方」など曖昧な言葉ばかりで伝わらない

抽象語が並んだ資料は、読後に何も記憶に残らず、他社との差別化にも貢献しません。

抽象語を見つけたら、言い換えのルールを決めて書き直します。「柔軟な働き方」なら週2日出社・残り在宅、「成長できる環境」なら半年で1つ新規プロジェクトを任せる、のように具体数字や場面に置き換えるのが基本です。最終レビュー時に抽象語が残っていないかのチェック工程を入れ、3人目のレビュアーに赤線を引いてもらう運用が効果的です。

パターン3|良いことしか書かず課題を隠して入社後ミスマッチ

良いことばかり書かれた資料は、候補者が他社と見比べるなかで逆に信頼を落とす方向に働きます。

課題を書く時の型は、「現状の課題」→「打ち手」→「入社者に期待すること」の3点セットです。たとえば、まだマネジメント層が不足しているという課題を書くなら、採用と育成の両輪で進めている打ち手、入社後はリーダーとして仕組み作りから関わってほしいという期待、の3点をセットで書きます。課題を見せることは弱みの露出ではなく、入社後の役割を明確にする情報提供として機能します。

パターン4|作って公開したあと1年以上更新されない

公開直後はメンテナンスされても、担当者が別業務に戻ると更新が止まりがちです。

回避のコツは、半年ごとの更新日をカレンダーに固定することです。たとえば4月・10月の第2週、のように年2回の定期メンテナンス日を決めておきます。更新担当は人事の1名に加え、経営企画や広報の1名を二重化しておくと、作った人の退職で運用が止まる事故を防げます。最終更新日はフッターに明記し、古さが一目で分かる状態を避けるのも基本です。

パターン5|効果測定をしておらず「作っただけ」で止まる

効果測定の仕組みがないと、改善の打ち手を打てず、資料が採用活動に組み込まれないまま忘れられていきます。

計測指標の最小セットは、資料ページのPV・スカウト開封率・カジュアル面談予約率・面接辞退率の4つです。Speaker DeckやGoogleアナリティクスで取れる範囲から始め、月1回・5分のふりかえりを定例に入れるだけでも十分です。応募が伸びない時は、資料の中身より導線(スカウト文の書き方・採用サイトのエントリーボタン近辺の設計など)に原因があるケースが多く、診断は導線側から始めるのが効率的です。

7. よくある質問(FAQ)

Q. 採用ピッチ資料のページ数は何枚が適切ですか?

初版は25〜35枚を目安にするのがおすすめです。公開事例では40〜60枚のものもありますが、枚数が多いほど最後まで読まれない確率が上がります。スカウト添付用には5〜7枚のダイジェスト版を別に作り、詳しく知りたい候補者に向けてフル版を渡す二段構えが機能しやすい運用です。1スライド1メッセージを徹底すると、自然に枚数は整理されていきます。

Q. 採用ピッチ資料の作成にはどれくらい費用・工数がかかりますか?

社内で内製する場合、採用担当者1名に加えて現場ヒアリング3〜5人で、3〜4週間・延べ30〜50時間程度が現実的な目安です。デザイン工数を外部に切り出す場合は、制作会社への依頼で30〜80万円が相場帯として多く見られます。Canvaや無料テンプレートを使ってデザインも内製する場合は、数万円程度で収めることも可能です。まず内製で初版を出し、効果を見てから外部のデザイン発注に進む順が失敗しにくい進め方です。

Q. 採用ピッチ資料を作ったのに応募や返信が増えません。何から見直すべきですか?

多くのケースで原因は資料の中身ではなく導線にあります。スカウト本文に資料リンクを入れているか、カジュアル面談予約完了メールに添付できているか、採用サイトのエントリーボタン近くに配置できているかをまず確認してください。そのうえで、資料内の「求める人物像」が曖昧になっていないか、社員の言葉ではなく会社からの一方通行になっていないかをチェックすると、改善ポイントが見えやすくなります。

8. まとめ|採用ピッチ資料は3〜4週間で初版を出し、運用で磨く

ここまで、採用ピッチ資料に入れる必須15項目、3週間で初版を出す5ステップ、AIを使ったたたき台作り、4つの活用シーン、5つの失敗パターンを見てきました。

採用ピッチ資料は、完成度100%を目指して2ヶ月かけるより、70点の初版を3〜4週間で公開し、運用しながら磨いていくスタンスのほうが成果につながりやすいツールです。大事なのは、誰に向けて作るかを1日目で決めること、取材と下書きにAIを適切に使うこと、公開場所と導線を最初から設計しておくことの3点です。

TEAM-X株式会社では、スカウト運用や求人票設計とあわせて、採用ピッチ資料の構成設計・社内ヒアリングの進め方・AI活用を含めた制作フローのご支援も行っています。採用ピッチ資料は作りたいが社内で手が回らない、初版を作ったが応募や返信につながっていないといったお悩みがあれば、自社の採用フェーズに合わせて、どの項目をどの順で埋めていくかを一緒に設計させていただきます。まずはカジュアルにご相談ください。

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