はじめに
建設業の2024年問題は、単に「残業規制が始まる」という話ではない。採用市場・採用要件・人件費構造の全てに影響する経営マターである。
業界が直面する3つの変化
1. 慢性的な人手不足の加速
時間外労働が制限されることで、同じ工期を回すには単純に人手が必要になる。建設業の就業者数は減少傾向にあり、技能労働者の数は10年前と比較しても大きく減っている。
2. 人件費の構造的上昇
残業代で稼ぐ働き方が制限されることで、基本給を上げざるを得ない。これは人件費の構造的な上昇を意味し、価格転嫁できない企業は経営を圧迫される。
3. 採用市場の競合激化
各社が同時に採用を強化するため、採用市場の競合が一気に激化する。特に施工管理職・技能労働者は獲得競争が顕著になる。
採用責任者がいま取るべき3つの対応
1. 採用ターゲットの再定義
これまでと同じ要件で採用を続けるのは現実的でない。経験者だけでなく、未経験者・異業種出身者の受け入れ体制を再設計する必要がある。
2. 給与レンジの相場感アップデート
業界相場が変化している。1年前のデータで採用設計をしても、足元の市場では戦えない。直近3ヶ月の決定実績をもとにした相場感のアップデートが必須である。
3. 中長期の採用ロードマップ策定
その場しのぎの採用ではなく、3〜5年スパンの採用ロードマップを経営層と合意する。年間採用予算・要件・体制を、事業計画と整合させる。
まとめ
2024年問題は採用責任者にとって「経営層を巻き込んで採用を経営マターに昇格させるチャンス」でもある。本記事の3つの対応を起点に、経営会議で議論を起こしていただきたい。
Author

青田 大典AOTA DAISUKE
代表取締役CEO
自ら立ち上げた事業の譲渡を経て、irodasの採用責任者、複数社の社外採用責任者を歴任し、2023年4月にTEAM-Xを創業。建設業界の採用構造を変えるべく、人材紹介・採用コンサルティング・RPOの3事業を統合して展開している。
