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採用戦略

建設業界の人材紹介会社19選|採用担当者向けの選び方と相場

UPDATED 2026.08.19AUTHOR 高谷 匠
高谷 匠

高谷 匠取締役COO

事業戦略と組織構築を統括するCOO。

建設業界の人材紹介会社を探しはじめると、候補はすぐに何十社と出てきます。ところが、どこも「建設業界に強い」と書かれていて、対応職種もエリアも料率も並べて比べられません。施工管理を任せられる会社はどこなのか、決め手が見つからないまま止まってしまいます。

建設会社の採用担当者100社以上から直接聞いたなかでは、契約社数を増やしても紹介が増えるわけではなく、実際に動いているのは契約先の1割程度、という話が繰り返し出てきました。見るべきは会社の知名度ではなく、自社の職種とエリアで今動ける会社かどうかです。

この記事には、建設業界に対応する人材紹介会社19社を、対応職種・対応エリア・料率の開示状況で比較した早見表をまとめています。あわせて、手数料の相場と料率が決まる仕組み、職人の紹介が原則禁止となる理由、契約前に「本当に紹介が来るか」を確かめる質問まで用意しています。

「どこに依頼すればいいのか決められない」「今の紹介会社を続けるか迷っている」とお悩みの方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

目次
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建設業界に強い人材紹介会社19選

人材紹介とは、紹介会社が自社の要件に合う候補者を選んで紹介し、採用が決まったときにだけ手数料が発生する成功報酬型のサービスです。

建設業界向けと書かれていても、実際の得意領域は会社ごとに大きく違います。施工管理に強い会社と、設計やCADに強い会社は別に存在します。ここからは、19社を対応職種のグループごとに整理します(職人は通常の人材紹介では扱えないため、後半の「職人の紹介ができる会社が限られる理由」で別に扱います)。

グループ社数
施工管理・技術職に強い会社17社
設計・CAD・電気に強い会社2社

※掲載19社は2026年8月時点の公開情報をもとに整理しています。サービス内容や対応範囲は変更されることがあるため、依頼前に各社の最新情報をご確認ください。

なお、この一覧には掲載していない会社もあります。公式サイトで事業内容を確認できなかった会社、求職者向けの転職サイトが中心で企業側の判断材料が読み取れなかった会社、企業向けの人材紹介ではなかった会社は、比較の対象から外しています。

19社の比較早見表

掲載順は対応職種の広い順です。同じ「建設業界向け」でも、施工管理だけを扱う会社と、設計・CAD・営業まで扱う会社では、依頼できる範囲が変わります。

サービス名(運営会社)対応職種対応エリア特徴・強み料率の開示公式サイト
RSG建設転職(株式会社RSG)施工管理、設計、CAD、BIM/CIM、不動産関東・関西・東海・九州中心に全国入社3か月以内の返金規定を公開している記載なし公式サイト
ジョブリー建設(株式会社レクリー)施工管理、建築士、設備、土木、プラント、CAD、営業記載なし取引先2,200社以上、登録者11,000名以上記載なし公式サイト
レガリス(株式会社レガリス)プラント・建築・土木・空調衛生・電気設備の施工管理、CAD、現場事務記載なし人材紹介と人材派遣の両方に対応記載なし公式サイト
JAGフィールド(JAGフィールド株式会社)建設系技術者、営業、エンジニア、事務記載なし最長6か月の紹介予定派遣。取引実績3,000社以上記載なし公式サイト
ビルドジョブ(株式会社MyVision)施工管理、現場監督、CAD、技術職、管理職全国建築・土木・設備・電気の4分野に対応記載なし公式サイト
SUGUNI(SUGUNI株式会社)建築・土木・設備・電気・プラント・機械の施工管理と設計大阪拠点、提携企業経由で全国1998年から建設業界に特化。登録者は約6,000名記載なし公式サイト
ニッケン・キャリア・ステーション(株式会社ニッケン・キャリア・ステーション)建設、不動産、土木記載なし日建学院グループ。有料職業紹介の許可を2001年に取得記載なし公式サイト
ブリンクス(株式会社ブリンクス)建築・土木・電気・設備の施工管理、各種検査東京・神奈川・埼玉・千葉労働者派遣と有料職業紹介の両方の許可を保有記載なし公式サイト
グローバルスタッフ(株式会社グローバルスタッフ)建設業界全般記載なし19社で唯一、手数料を公式サイトに明記理論年収の35%公式サイト
TEAM-X(TEAM-X株式会社)施工管理、建築士、電気設備、現場作業員首都圏・関西中心に全国両面型。有資格者比率81%、内定承諾率70%資格・役職別の段階料率公式サイト
ウィルオブ・コンストラクション(株式会社ウィルオブ・コンストラクション)施工管理の全職種全国登録者の8割が土木・建築の施工管理技士記載なし公式サイト
建設・設備求人データベース(株式会社クイック)建設、設備、プラント記載なし東証プライム上場のクイックが運営記載なし公式サイト
建職バンク(株式会社アーキベース)建築施工管理、土木施工管理、電気人材全国スカウト型に対応。電気関連の人材に強み記載なし公式サイト
ビズケン(株式会社建設みらい総研)建設業界全般記載なし施工管理の経験があるコンサルタントが在籍記載なし公式サイト
クロスワーク(X Mile株式会社)施工管理ほかノンデスク職全般全国登録者は累計70万人以上、利用事業者は2万社以上記載なし公式サイト
プレックスジョブ(株式会社プレックス)施工管理技士、電気設備管理ほか全国登録者は累計100万人以上。掲載は無料の成果報酬記載なし公式サイト
セコカンプラス(株式会社クイック)施工管理(経験者・有資格者・未経験)記載なし施工管理に特化。返金規定を設けている記載なし公式サイト
ジョブテック for CAD(株式会社VOST)CADオペレーター記載なし登録者は全員がCADのスキルチェックを受験記載なし公式サイト
建設キャリアプラス(ツクリンク株式会社)電気工事士、電気工事施工管理関東中心建設業ネットワーク10万社以上を活用記載なし公式サイト

料率の列に注目してください。公式サイトで手数料の数値を出しているのは19社のうちグローバルスタッフの1社だけで、残りは「完全成功報酬」「要問い合わせ」と書かれています。費用の条件は問い合わせないと分かりません。

候補を3社ほどに絞り、同じ内容を確認して比べる進め方が現実的です。確認する項目は後半の「契約前に確認したい4つの質問」にまとめています。

施工管理・技術職に強い17社

RSG建設転職(株式会社RSG)

東京都千代田区に本社を置き、施工管理から設計、CAD、BIM/CIMのオペレーター、不動産系の職種まで扱います。対応エリアは関東・関西・東海・九州を中心とした全国です。完全成功報酬型で、入社から3か月以内に本人都合で退職した場合の返金規定を公開しています。返金額は退職までの期間で変わります。

ジョブリー建設(株式会社レクリー)

2019年設立の会社が運営し、施工管理技士・建築士・設備・土木・プラント・CADオペレーター・営業まで幅広く扱います。取引先は2,200社以上、登録者は11,000名以上で、毎月700名ほどが新たに登録しています。人材派遣もあわせて提供しています。

レガリス(株式会社レガリス)

東京都豊島区に本社を置き、プラント・建築・土木・空調衛生・電気設備の施工管理に加えて、CADオペレーターや現場事務まで対応します。人材紹介と人材派遣の両方を持つため、直接雇用と期間限定の補強を並行して相談できます

JAGフィールド(JAGフィールド株式会社)

名古屋に本社を置き、施工管理や設計監理といった建設系技術者に加えて、営業・事務・ITエンジニアも扱います。最長6か月の紹介予定派遣に対応しており、実際に働く様子を見てから直接雇用に切り替えられます。取引実績は3,000社以上です。

ビルドジョブ(株式会社MyVision)

2022年に創業した会社が、2024年6月から建設領域の人材紹介として始めたサービスです。施工管理・現場監督・CADオペレーターから管理職まで、全国を対象にしています。歴史は浅い一方、社内システムを自社で開発して選考の進捗管理に力を入れている点を打ち出しています。

SUGUNI(SUGUNI株式会社)

大阪市中央区に本社を置き、1998年から建設業界に特化しています。建築・土木・設備・電気・プラント・機械の施工管理と設計が対象で、登録者は約6,000名です。大阪を拠点にしつつ、提携企業を通じて全国の依頼にも対応しています。関西の建設会社にとっては距離の近い選択肢になります。

ニッケン・キャリア・ステーション(株式会社ニッケン・キャリア・ステーション)

建築系の資格取得講座で知られる日建学院のグループ会社です。東京都豊島区に本社を置き、建設・不動産・土木を対象に人材紹介と人材派遣を行っています。有料職業紹介の許可を2001年に取得しており、この分野では長く運営されている会社です。資格取得の教育基盤を持つ点が他社との違いになります。

ブリンクス(株式会社ブリンクス)

千葉県八千代市に本社を置き、東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県に対象を絞っています。建築・土木・電気・設備の施工管理と各種検査が対象です。労働者派遣と有料職業紹介の両方の許可を持ち、派遣を経てから直接雇用に切り替える進め方にも対応します。エリアを限定している分、通勤圏の候補者を探しやすい体制です。

グローバルスタッフ(株式会社グローバルスタッフ)

建設業界全般を対象とし、紹介実績の職種構成として建築施工管理18%、電気工事施工管理14%、管工事施工管理12%を公開しています。19社のなかで唯一、手数料を理論年収の35%と公式サイトに明記しています。人材派遣もあわせて提供しています。費用の目安を先に把握したい場合は、比較の起点にしやすい会社です。

TEAM-X(TEAM-X株式会社)

大阪市淀川区に本社を置き、首都圏と関西を中心に全国で施工管理・建築士・電気設備・現場作業員の採用を支援しています。専任の担当者が求人企業と求職者の双方を担当する体制で、紹介した人材の有資格者比率は81%、内定承諾率は70%です。料率は保有資格と役職で段階的に設定しています。

ウィルオブ・コンストラクション(株式会社ウィルオブ・コンストラクション)

東京都新宿区に本社を置き、施工管理の全職種を全国で扱います。登録者は土木と建築の施工管理技士が8割を占めます。人材派遣もあわせて提供しており、拠点を複数持つ会社が地域をまたいで依頼しやすい体制です。

建設・設備求人データベース(株式会社クイック)

東証プライムに上場する株式会社クイックが運営し、建設・設備・プラントの技術者を扱います。1980年設立の人材サービス会社で、上場企業という点は取引の安定性を重視する会社にとって判断材料になります。

なお、後述するセコカンプラスも同じ株式会社クイックの運営です。別の会社と思って2社と契約しても、紹介される候補者はもとをたどれば同じ会社が抱える登録者になります。社数を増やして母集団を広げたい場合は、運営会社が重なっていないかを確認しておくと無駄が減ります。

建職バンク(株式会社アーキベース)

建築施工管理・土木施工管理に加えて、電気関連の人材に強みを持ちます。もともと関東を中心に電気人材の紹介から始まり、その後全国に対象を広げています。スカウト型の運用に対応しており、採用側の工数を抑えたい会社に向いています。

ビズケン(株式会社建設みらい総研)

建設業界に特化した求人サイトと転職エージェントの2つを運営しています。施工管理の経験があるコンサルタントが在籍しており、要件の説明にかかる手間を減らせます。電気系の職種に強みがあります。

クロスワーク(X Mile株式会社)

施工管理を含むノンデスク職全般を対象とし、登録者は累計70万人以上、利用事業者は2万社以上です。以前は「建職キャリア」という建設向けの別サービスがありましたが、2025年4月にクロスワークへ統合されています。他のまとめ記事では旧サービス名のまま紹介されていることがあるため、問い合わせる際は現在の名称で探してください。

プレックスジョブ(株式会社プレックス)

施工管理技士や電気設備管理をはじめ、10職種以上の現場系人材を扱います。登録者は累計100万人以上で、毎月およそ47,000人が新たに登録しています。求人の掲載自体は無料で、採用が決まるまで費用が発生しない仕組みです。若手や未経験を含めて広く母集団を作りたい場合に候補になります。

セコカンプラス(株式会社クイック)

施工管理に特化したサービスで、経験者・有資格者に加えて未経験の志望者も扱います。一定期間内に退職があった場合の返金規定を設けています。前述の建設・設備求人データベースと同じ運営会社です。

設計・CAD・電気に強い2社

ジョブテック for CAD(株式会社VOST)

東京都江東区に本社を置き、CADオペレーターに特化しています。登録者は全員がCADのスキルチェックを受けており、実際に図面を扱えるかを事前に確認したうえで紹介されます。建築業・土木業向け、製造業向けの別ブランドも運営しています。

建設キャリアプラス(ツクリンク株式会社)

建設業の受発注をつなぐプラットフォームを運営する会社のサービスで、電気工事士と電気工事施工管理が中心です。10万社以上の建設業ネットワークを持ち、関東の求人が充実しています。電気工事の有資格者を探している会社に向いています。

手数料の相場と料率の決まり方

一般的な人材紹介なら、手数料は理論年収の30〜35%です。建設の施工管理に特化した会社では35〜60%が目安で、所長クラスでは80%の提示もあります。年収600万円の施工管理を料率50%で採用すれば、300万円の手数料が発生します。求人媒体の掲載費とは金額の桁が変わります。

そもそも媒体で応募が集まらない背景には、建設業全体の人手の状況があります。市場の構造は別記事『建設業の人手不足はなぜ?|求人を出しても来ない本当の理由と対策』で整理しています。

職種と資格で変わる段階料率

建設の施工管理に特化した会社では、保有資格と役職で料率が段階的に変わる設計が基本です。1級施工管理技士がもっとも高く、2級、資格なしの経験者、未経験の順に下がります。

対象料率の目安その料率になる理由
所長・現場代理人クラス60〜80%所長経験者は転職市場にほとんど出てこない
1級施工管理技士50〜60%有資格者が少なく、各社の求人が重なる
2級施工管理技士40〜50%1級より母数はあるが、現場を任せられる層は限られる
資格なしの経験者・未経験30〜40%母数が多く、自社の求人でも接点を作りやすい

実際の契約でも、所長クラスは80%、1級は60%、2級は50%、未経験は35%といった水準で設定されています。一方、料率を一律35%と規定している会社もあります。相場を重視する大手や上場企業に多い設計です。

地場のゼネコンでは、施工管理を強く求めるポジションほど料率が上がる傾向があります。裏を返せば、料率の高さはその会社がどれだけその職種を必要としているかの表れでもあります。

返金規定の確認ポイント

入社してまもない退職に備えて、返金規定を設けるのが一般的です。保証期間は90日前後、1か月未満の退職で手数料の50〜90%、3か月未満で一定割合という設計をよく見ます。

返金ではなく、無償で代わりの候補者を紹介する形を規定している会社もあります。どちらの方式かは契約前に確認しておきたいところです。

起算日は見落としやすい項目です。入社日から数えるのか、内定日から数えるのかで、実際に返金の対象になる期間が変わります。契約書の該当箇所を読むときは、返戻率と起算日をセットで確認してください。

料率は交渉の余地がある

提示された料率が最後まで固定とは限りません。実績が出た段階で見直す前提で契約を始める例があります。

たとえば、一律35%を規定として持つ企業と、まず35%で契約し、採用決定が1〜2名生まれた段階で料率を見直す合意をした例があります。35%を超える料率は稟議が必要になるため、他社での実績や、企業と求職者の双方を同じ担当者が見る体制であることなど、上げる理由を説明できるかどうかが分かれ目になります。

発注側から見ると、この構造を知っておく意味があります。最初の提示額がすべてではないと分かれば、料率だけを理由に候補から外す判断を保留できます。

自社に合う紹介会社の選び方

早見表で見たとおり、対応職種もエリアも会社ごとに違います。ここからは、自社の募集に合うかどうかを見るときの3つの軸を整理します。

対応職種と対応エリアが自社と合っているか

建設業界向けと書かれていても、実際の得意領域は分かれます。施工管理に強い会社、設計やCADに強い会社、設備やプラントに強い会社が、それぞれ別に存在します。

エリアも同じです。1都3県のみ、関西中心、全国対応と幅があります。地方の建設会社が「全国対応」と書かれた会社に依頼しても、その地域に登録者がいなければ紹介は発生しません。

契約前に聞いておきたいのは、自社の所在地と同じ都道府県で、直近1年に何名の決定実績があるかです。全国の総登録者数ではなく、エリアを絞った実績を聞くと、実態が見えます。

建設特化型と総合型のどちらを選ぶか

特化型は建設の職種要件と資格を理解しているため、要件のすり合わせが短く済みます。総合型は登録者の母数が大きく、未経験や異業種からの転職者を含めて広く探せます。

料率は特化型のほうが高く、特化型が35〜60%、総合型が30〜35%です。この差は候補者の希少性と、要件を理解するためにかける工数の差にあたります。

総合型では、次の3社が建設領域の求人を多く扱っています。

サービス名(運営会社)建設領域の求人数
リクルートエージェント(株式会社リクルート)建設・不動産で約39,000件
doda(パーソルキャリア株式会社)建設・建築・不動産で25,000件以上
パソナキャリア(株式会社パソナ)建設専門職で約4,000件

この3社は先ほどの19選には含めていません。特化型と並べて順位をつけるものではなく、役割が違うためです。

使い分けの目安としては、1級施工管理技士のような希少な有資格者は特化型、若手や未経験の母集団づくりは総合型、という分け方が実務的です。なお「建設業界に強い」という言葉だけで判断するのは避けてください。何をもって強いのかを具体的に聞くと、得意領域が見えてきます。

施工管理に絞って紹介会社を選びたい場合は、別記事『施工管理の人材紹介|手数料相場と本当に紹介が来る選び方』で職種を限定した見方を用意しています。

派遣や紹介予定派遣を併用できるか

採用してから合わないと分かる事態を避けたい場合、一定期間の派遣を経て直接雇用に切り替える紹介予定派遣という方法があります。JAGフィールドやブリンクスなど、最長6か月の派遣期間を設けている会社があります。

ここで注意したいのは、職種によって使える手法が変わる点です。施工管理は労働者派遣が可能ですが、現場作業そのものにあたる建設業務は労働者派遣法第4条で派遣が禁止されています(出典:厚生労働省「労働者派遣事業・職業紹介事業・募集情報等提供事業等」)。職人を派遣で受け入れるという選択肢は、制度上ありません。

紹介が来ない会社を契約前に見分ける方法

ここまでは、自社に合うかどうかの見方を整理してきました。ただし、条件が合っていても紹介が来ないことがあります。ここからは、その理由と契約前の確かめ方を扱います。

前提として、料率を上げれば紹介が増えるという考えは外してください。料率で変わるのは紹介会社のなかでの優先順位で、該当する候補者と接点のない会社からは、料率をいくら積んでも紹介は来ません。

契約社数と紹介数は比例しない

契約社数を増やしても、紹介数は比例しません。

人材紹介会社と100社以上、多い会社では200社近くと契約している建設企業があります。しかし採用管理システムの上で実際に稼働しているのは、そのうち1割程度という状態が珍しくありません。

「契約はしたものの、その後は音沙汰がない」という経験を持つ担当者は多いはずです。これは自社が軽く扱われているというより、紹介会社が動ける案件を絞った結果です。担当者が抱えられる求人数には限りがあり、決まりやすい案件から順に動きます。

両面型と分業型のどちらかを確認する

人材紹介会社の体制は、大きく2つに分かれます。両面型は同じ担当者が求人企業と求職者の双方を担当します。分業型は企業担当と求職者担当が分かれます。

要件が複雑な施工管理では両面型が精度で有利になり、母集団の規模では分業型が有利になります。どちらが優れているという話ではなく、自社の募集がどちらに向くかという話です。

この点は公式サイトにはほとんど書かれていません。確認するには「担当は企業側と求職者側で分かれていますか」と聞くのが早く、質問1つで分かります

契約前に確認したい4つの質問

初回の打ち合わせで聞いておくと、その後の数か月が変わります。

質問何が分かるか
同じ都道府県での直近1年の決定実績自社のエリアで実際に動けるか
要件に該当する登録者の現在の人数今すぐ紹介できる母集団があるか
費用の条件(返金規定の起算日と返戻率、料率が一律か等級別か)早期離職が起きたときの負担と、想定より高くなる余地
紹介の進捗を共有する頻度止まったときに気づけるか

それぞれの質問で見るのは、答えの具体性です。「全国で10万人」と答える会社と、「御社の県では昨年3名決まりました」と答える会社では、依頼後の景色が変わります。人数や実績が出てこない場合は、これから集める段階だと考えて、紹介が来る時期の見込みを調整しておきます。

進捗を共有する頻度は、4つのなかでもっとも見落とされます。進捗の共有がない状態では、紹介が止まっていることに気づくまで数か月かかります。月1回でも定期的な共有を約束できるかを聞いておくと、放置される期間を短くできます。

紹介会社への信頼は最初の熱心さでは決まりません。見送りの理由を伝えたあとに次の候補者を出し続けられるかで決まっていく、と話す採用担当が複数います。1人目の紹介で判断せず、2回か3回のやり取りを見てから継続を決める進め方が現実的です。

紹介会社に渡す要件がそのまま候補者への訴求になるため、求人票の中身も紹介の精度に影響します。書き方は別記事『施工管理の求人票の書き方|応募が来ない原因と7項目の直し方』で7項目に分けて解説しています。

職人の紹介ができる会社が限られる理由

施工管理は紹介してもらえるのに、職人だけはどこに聞いても断られる。この違いは会社の努力ではなく、制度によるものです。

職業安定法で有料職業紹介ができない業務

建設業務は、職業安定法により有料職業紹介事業の対象外とされています。ここでいう建設業務とは、土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊もしくは解体の作業、またはこれらの作業の準備の作業に係る業務を指します(出典:厚生労働省「建設業務有料職業紹介事業」)。

現場で手を動かす作業そのものが対象になるため、大工、鳶、電工、配管工といった技能労働者は、通常の人材紹介では紹介できません。

施工管理・設計は紹介できる

一方で、現場作業に直接従事しない職種は規制の対象外です。施工管理職、設計職、積算、CADオペレーターなどは、通常の有料職業紹介として扱えます。

通常の人材紹介で扱える通常の人材紹介では扱えない
施工管理、設計、積算、CADオペレーター、営業、事務大工、鳶、電工、配管工などの技能労働者

建設業界向けの人材紹介会社の大半が施工管理と設計を中心に扱っているのは、この線引きがあるためです。職人だけ見つからないのは、探し方が悪いのではなく、探せる相手が限られているという話になります。

例外制度と許可を受けた団体

まったく道がないわけではありません。建設労働者の雇用の改善等に関する法律により、建設事業主団体が厚生労働大臣の許可を受けた場合に限り、建設業務有料職業紹介事業を実施できます(出典:厚生労働省「建設業務有料職業紹介事業」)。

ただし利用には条件があります。紹介を受けられるのはその団体の会員企業だけで、紹介される雇用形態も期間の定めのない契約に限られます。つまり職人を人材紹介で採用したい場合は、まず許可を持つ団体に加入するところから始まります。

許可の要件が事業主団体であることのため、株式会社は単独では取得できません。この構造があるため、職人の紹介を扱える事業者は限られています。

探すときの手がかりは許可番号です。通常の有料職業紹介の許可番号には「ユ」が入りますが、建設業務有料職業紹介事業の許可番号には「ケ」が入ります。相談先の候補が見つかったら、公開されている許可番号にこの記号が入っているかを確認してください。入っていなければ、その団体は職人を紹介できません。

人材紹介のメリットとデメリット

ここまで選び方を見てきましたが、そもそも人材紹介が自社の募集に合うかは職種によって変わります。得意なことと不得意なことを先に押さえておきます。

人材紹介が向いているケース

施工管理の有資格経験者は、媒体に登録していても自分から応募する動きが多くありません。そのため媒体だけでは母集団を作りにくく、紹介会社が個別に接点を作るルートが主になります。採用の9割が人材紹介経由という建設企業もあります。

要件に合う候補者だけが紹介されるため、書類選考の工数も減ります。有資格者かどうかを事前に確認したうえで紹介されるので、資格の有無で見送る作業が発生しません。

採用が決まるまで費用が発生しない点も、募集が長期化しやすい建設業には合っています。求人媒体のように、応募が来なくても掲載費が出ていくということがありません。

人材紹介のデメリット

第一に費用です。年収600万円の施工管理を料率50%で採用すれば300万円になります。1名あたりの単価としては、採用手法のなかでもっとも高くなります。

第二に、依頼のしかたによっては社内に採用のノウハウが残りにくくなります。候補者の集め方や訴求の作り方が、紹介会社に蓄積されるためです。見送り理由や候補者の反応を都度共有してもらう形にしておくと、自社側にも判断の基準が溜まります。

第三に、会社ごとに得意な職種とエリアが違うため、1社だけに任せると母集団が偏ります。19社の一覧で対応職種とエリアを見比べたうえで、性格の違う2〜3社を組み合わせる形が現実的です。

求人媒体・人材派遣との使い分け

手数料の重さを考えると、すべての採用を人材紹介に任せるのは現実的ではありません。ここからは、他の手法との役割分担を整理します。

3つの手法の違い

手法費用の発生タイミング雇用形態向いているケース
人材紹介採用が決まったとき自社の直接雇用希少な有資格者、短期で決めたいポジション
求人媒体掲載したとき自社の直接雇用母集団が見込める職種、継続的な募集
人材派遣稼働した時間に応じて派遣元の雇用期間を区切って技術者を補う

求人媒体は掲載した時点で費用が発生し、応募が来なくても戻りません。人材派遣は自社の雇用ではないため、育成や定着を前提とした補強には向きません。

自社で採る層と紹介に任せる層の切り分け

母集団が見込める層は自社の求人とスカウトで、希少な有資格者や短期で決めたいポジションは人材紹介で、という設計にするとコストに見合いやすくなります。

線引きの目安になるのは、その職種が媒体に出てくるかどうかです。未経験や若手は媒体でも接点を作れるため、自社で採ったほうが1名あたりの費用を抑えられます。一方で1級施工管理技士や所長経験者は媒体にほとんど出てこないため、料率を払ってでも紹介に任せる判断になります。

職人については、前章のとおり通常の人材紹介では依頼できません。自社採用か、許可を持つ団体への加入かの二択になります。

まとめ|料率より「今この会社に候補者がいるか」で選ぶ

建設業界の人材紹介について、要点を振り返ります。

  • 料率を公開している会社はほとんどない。候補を3社に絞り、同じ内容を確認して比べる
  • 契約社数を増やしても紹介数は増えない。今この瞬間に要件へ該当する登録者がいるかを聞く
  • 手数料は年収の35〜60%が目安。所長や1級有資格者ほど上がり、実績が出た段階で見直す余地もある
  • 職人は制度上、許可を受けた事業主団体しか紹介できない。許可番号に「ケ」が入っているかで見分ける
  • 1人目の紹介では判断せず、見送り理由を伝えたあとの2回目、3回目のやり取りで継続を決める

紹介会社を新しく探すときは、まず自社の所在地と同じ都道府県での決定実績を聞くところから始めてみてください。この1問だけでも、依頼先の実態がかなり見えてきます。

TEAM-Xは、建設業界に特化した人材紹介として、施工管理・建築士・電気設備・現場作業員の採用を支援しています。専任の担当者が求人企業と求職者の双方を担当するため、要件のずれが起きにくい体制です。募集要件の整理から相談を受け付けていますので、紹介が思うように来ていない、どこに依頼すべきか判断がつかないという場合は、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

建設業界の人材紹介の手数料はいくらですか

一般的な人材紹介なら理論年収の30〜35%、建設の施工管理に特化した会社では35〜60%が目安です。保有資格と役職で段階的に変わります。

  • 所長・現場代理人クラス:60〜80%
  • 1級施工管理技士:50〜60%
  • 2級施工管理技士:40〜50%
  • 資格なしの経験者・未経験:30〜40%

年収600万円の施工管理を料率50%で採用すると、手数料は300万円です。公式サイトで料率を公開している会社はごく少ないため、候補を絞ってから問い合わせて比較してください。

職人や現場作業員も人材紹介で採用できますか

原則としてできません。職業安定法により、現場作業にあたる建設業務は有料職業紹介の対象外とされているためです。例外として、厚生労働大臣の許可を受けた建設事業主団体だけが、建設業務有料職業紹介事業として紹介できます。許可番号に「ケ」が入っている団体が該当します。なお施工管理・設計・積算・CADオペレーターは規制の対象外なので、通常どおり紹介を受けられます。

複数の人材紹介会社を同時に使ってもよいですか

問題ありません。ただし社数を増やしても紹介数は比例しないため、10社と契約するより3社と深く付き合うほうが結果につながります。

同じ候補者が複数社から推薦されたときにどちらの紹介として扱うかは、契約時に先着のルールを確認しておいてください。組み合わせるなら、得意な職種やエリアが重ならない会社を選ぶと母集団の偏りを避けられます。運営会社が同じサービスは、実質的に1社と数えて考えます。

依頼してから最初の紹介が来るまで、どのくらいかかりますか

紹介会社が要件に合う登録者を今抱えているかどうかで決まります。該当する方がいればすぐに紹介が届きますが、いない場合はこれから探す期間が加わります。契約時に「今この要件に該当する方は何名いますか」を確認しておくと、初回までの見通しが立てられます。1か月ほど連絡がない状態が続くようなら、要件のどこが引っかかっているのかを聞き直すタイミングです。

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高谷 匠

高谷 匠TAKATANI TAKUMI

取締役COO

新卒でリクルートに入社し、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を経て、2025年12月にTEAM-Xへ参画。会社全体の事業戦略と組織構築を統括している。