TEAM-X株式会社

採用戦略

施工管理の採用で起きるミスマッチ|経験者なのに合わない6つのずれ

公開日 2026.10.26監修 高谷 匠
高谷 匠

この記事の監修者

高谷 匠

TEAM-X株式会社 取締役COO/一般社団法人建設技能者転職支援協会 代表理事

監修者プロフィール

施工管理の経験者を採用したのに、半年もたたずに「思っていた仕事と違った」と言われてしまう。書類も面接も問題なかったのに、どこで見落としたのか分からない。そんな採用担当の方は少なくありません。

RC造の経験しかない方は、木造の会社に入ると経験者でも一から覚え直すことになります。1級を持つ中途入社者が、前の会社より少ない人数で同じ規模の現場を持つことに驚いた例もあります。

施工管理の採用で起きるミスマッチは、本人の力量より、経験の中身や現場の作り方、働き方の条件のずれから起きています。この記事では、ずれを6つに分けた一覧と、それぞれを求人票・面接・現場見学・入社後の面談のどこで確かめるかを載せました。経験者の中途採用を担当している方に向けた内容です。

「次に入社する方には長く働いてほしい」と考えているなら、6つのずれの一覧から目を通してみてください。

目次
PDF / 23ページ人材紹介サービス概要資料の誌面

資料ダウンロード / 無料

TEAM-Xの人材紹介サービス概要資料

建設業に特化した人材紹介の特徴をまとめました

  • 紹介手数料(職種・資格別)
  • 登録者データ(年代・資格・職種構成)
ダウンロードはこちら

施工管理の採用で起きる6つのずれ

採用ミスマッチとは、入社前に会社と候補者が思い描いていた仕事や条件と、入社後の現実が食い違うことです。施工管理では、このずれが6つに分かれ、気づける時期もそれぞれ違います。

ずれよくある場面気づける時期
経験の中身RC造の経験者が木造住宅の会社に来る書類〜面接
現場の人数と任され方中途の方が、前の会社より少ない人数で1現場を持つ入社後の最初の現場
求人名と仕事の中身「施工管理」で募集したが、実態はリフォームや協力会社の組織づくり面接〜入社後
出張・転勤・休み転勤はないが、半年〜1年の出張がある面接〜内定
年収と社内の水準1級を持つベテランの希望額が、社内の上限を超える書類〜内定
成長段階と社風仕組みを整えながら事業を広げる会社に、安定志向の方が来る入社後

この表は、2026年に100社以上の建設会社の採用担当の方から直接聞いた話をもとに、よく出るずれをまとめたものです。6つのうち、現場の人数と任され方、社風の2つは書類では分からず、入社してから気づきます。

書類と面接の段階で分かるずれ

経験の中身や希望年収、出張や休みといった働き方の条件は、職務経歴書と面接で確かめられます。ただし確かめる質問を用意していないと、面接の印象のまま選考を通ってしまいます。

公共インフラを手がけるある建設会社では、書類選考の通過率が40〜50%で、見送りの理由は条件のミスマッチだと話していました。書類の段階で見送った方とは、入社後のずれは起きません。

反対に、希望年収を書類の段階で確かめずに進めると、選考の途中で辞退されることがあります。希望年収と提示額に50万〜100万円の差があり、書類を通ったあとに辞退された会社もありました。年収と働き方の条件は、書類の段階で聞いておくほど後で困りません。

入社後に初めて分かるずれ

面接で言葉を交わしても、現場の人数や書類の量、任され方、社風はなかなか伝わりません。候補者は前の会社の現場を前提に話を聞くので、同じ「3名体制」という言葉でも、思い浮かべる中身が違います。

1級を持つ30代半ばの中途入社者が、入社後に「この人数でそもそもこの規模の建物が見られるのか」と感じた会社があります。会社側は3〜4名体制を少ないとは考えておらず、前の会社との書類業務の密度の違いだと見ていました。

こうしたずれは、待っていても入社前には出てきません。5章の面接と現場見学、6章の入社後の面談で、確かめる場所を先につくっておきます。

経験と仕事の中身で起きるミスマッチ

施工管理の「経験者」は、構造、新築か改修か、規模、立場によって、通用する範囲が分かれます。資格と年数がそろっていても、この中身がずれると入社後に合いません。

構造・新築か改修か・規模のずれ

同じ「施工管理の経験10年」でも、どの構造でどんな工事をしてきたかによって、自社で通用するかどうかが変わります。

木造の新築住宅を手がける会社では、RC造やリフォームの施工管理経験を、未経験と同じに扱っています。紹介会社に「施工管理」として依頼すると、RC造の経験者ばかりが推薦されて噛み合わない、という悩みも聞きました。

新築を手がける別の会社は、リフォームや改修だけの経験では新築に適応しづらいと見ていました。コンビニや小型ドラッグストアのような小さな案件だけの経験も、規模の差で難しいという見方でした。

電気工事でも同じことが起きます。箱物の新築・改修を手がける電気工事会社では、通信系やメンテナンスの経験は対象外です。基地局や鉄道、太陽光発電所の経験者は合わないと話す電気工事会社もありました。

ある会社の採用担当の方は、こう話していました。

> 建築業界は広くて専門も分かれる。1級を持っていて30代半ばで他社の経験があるという方を、どう判断するかが一番難しい。

資格だけを見て採用を決めた場合も、同じずれが起きます。資格だけで採用した方が現場で苦労した、有資格者でも実務が伴わなかった、という声は複数の会社から出ていました。資格証を見ても、その方がどの構造でどんな工事をしてきたかまでは分かりません。

現場の人数と任され方のずれ

同じ規模の建物でも、会社によって現場の作り方は違います。前の会社と現場の人数や書類の分担が違うと、入社後に業務の量や中身に驚くことがあります。管理だけでなく現場で手を動かす監督を求める会社に、管理を中心にしてきた方が来て合わなかった例もあります。

直接聞いた例を4つ挙げます。

  • 1現場を3〜4名で持ち、書類業務を薄くして回している会社では、1章で触れたとおり、中途入社者が人数の少なさに驚いた
  • 電力インフラを手がける総合電気工事会社は、大手ゼネコンでの経験は自社の業務と離れていて、かえって合わないと見ている
  • 看板施工の会社は、工期が数日〜1か月の単発の工事が中心で、現場に常駐せずに複数の現場を離れた場所から管理する。スピード感と働き方の違いを先に伝えないと噛み合わない
  • 木造住宅の会社は、管理だけでなく現場で手を動かす監督を強みにしている。大手を半年で辞めかけた方は、転職の理由として、現場で仕事を教わる相手がいなかったことを挙げていた

職務経歴書の「担当現場数」や「立場」の欄だけでは、この差は読めません。何人体制で、書類は誰が作っていたかまで聞いて、ようやく分かります。聞き方は5章で紹介します。

求人名と仕事の中身のずれ

「施工管理」という職種名で募集すると、候補者の多くは新築の現場に常駐する仕事を思い浮かべます。仕事の実態がそこから離れていると、面接か入社後にずれます。

  • 「施工管理統括」として募集した求人の中身が、現場の施工管理ではなく、協力会社の組織(業者会)づくりだった
  • 求人名は施工管理だが、仕事の中身はリフォームとモデルルームの木造。新築の大きな現場を期待する層とずれ、若手が定着しないため、あえて50代に絞った会社がある
  • 現場7割・事務3割の仕事を、年収700万円まで可の「施工管理」として募集したところ、施工管理を志望する方には物足りず、合わなかった。「施工関連もできる事務職」に切り替えて採用できた

公的な数字にも、このずれは表れています。令和6年度にハローワークが受けた「求人票の記載内容と実際の労働条件の相違」に関する申出等は、全国で3,297件でした。内容別では「職種・仕事の内容」が591件(12.9%)で、賃金と就業時間に次いで3番目に多く、産業別では建設業が208件です(出典:厚生労働省「令和6年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」)。内容別の件数は、1件に複数の内容があればそれぞれ数えた延べの値で、施工管理だけを取り出した数字ではありません。

この会社のように、職種名を仕事の実態に合わせて変えることで、来てほしい方に求人が届くことがあります。

条件と社風で起きるミスマッチ

条件のずれは、本来なら面接までに確かめられます。それでも求人票の書き方や伝える順番によって、内定後や入社後まで持ち越されることがあります。

出張・転勤・通勤・休みの曜日のずれ

求人媒体の入力欄は「出張なし」「転勤なし」を打ち出す作りになっていて、実態を書く場所がありません。転勤はないものの、1つのプロジェクトで半年〜1年の出張がある会社の採用担当の方は、欄と実態が合わないことに悩んでいました。

転勤の可能性がある総合職を募集している会社は、応募の段階でのミスマッチを警戒し、長期出張や転勤の可能性を候補者に説明しておく必要があると話していました。

通勤もずれの元になります。東京23区内の現場でも移動に時間がかかり、通勤にこだわる方とはずれやすいと話す会社がありました。毎日自宅から通いたい方とは合わない、という会社もあります。

休みは日数だけでなく曜日でもずれます。水・日・祝が休みの会社に土曜休みを望む方が来た例や、土日固定の休みを望む方とずれた例がありました。年間休日の日数が同じでも、休める曜日が違えば合わないことがあります。

郊外や地方の大きな現場では車が要るのに、若手の応募者が運転免許を持っていないこともあります。これに気づいて、運転免許を必須の条件に加える方針を決めた会社がありました。

希望年収と社内の水準のずれ

1級を持つベテランの希望年収が社内の水準を上回り、話がまとまらないことがあります。RC造を専門にしてきた1級の方は希望年収が高く、木造の会社とは合いにくい、という声も聞きました。

求人票の年収の上限が、管理職の枠まで含めた数字になっているケースもあります。この場合、決まる額は上限よりかなり下になり、上限を見て応募した方とは面接でずれます。年収が既存社員の水準に縛られて上げられない会社もあります。

前職の年収をそのまま受け入れると、社内の給与の水準が崩れるという問題もあります。この記事では、提示額の根拠を面接で先に伝えるところまでにしておきます。年収のずれは書類と面接で確かめられる側なので、希望年収は書類の段階で聞き、提示できる上限は初回の面接で伝えてください。

会社の成長段階と社風のずれ

事業を広げながら社内の仕組みを整えている会社では、安定志向の方とずれやすくなります。ベテランを年齢ではなく変化への耐性で見ていて、「前と同じ働き方ができる会社」を求める方は合わないと考えている会社もありました。

社内勉強会などで人としての成長を大事にする会社では、実力主義の環境を望む方とずれます。

社風のずれは書類にも面接の受け答えにも出にくく、確かめるには工夫が要ります。その方法は、現場見学とあわせて5章で紹介します。

求人票の書き方と紹介会社への伝え方

採用の入口で防げるのは、経験の中身、求人名、働き方の条件のずれです。要件を足すのではなく、自社の現場の中身を求人に書き足してください。

自社の現場を1行で書き出す

求人票の仕事内容の冒頭に、自社の典型的な現場を1行で書きます。たとえば「RC造・新築・元請・延床◯㎡前後・3名体制」のような書き方です。この1行があると、経験の合わない方が自分で応募を見送れます。

1行には、何人で1現場を持つかと、施工計画書や安全書類を誰が作るかも入れておきます。2章で見た「人数の少なさに驚いた」ずれは、この書き方で入社前に伝えられます。

「施工管理」を1本の求人で出さない

施工管理を1本の求人にまとめて出すと、自社と構造や分野が違う経験者が多く応募してきます。木造住宅の会社にRC造の経験者が集まったのも、この形でした。

求人を分けて出している会社もあります。資格で絞るとターゲットが薄くなるため、求人票を複数に分けた電気工事会社がありました。未経験の枠、2級以上の経験者の枠、所長向けの枠の3つに分けて出した会社もあります。

分け方の目安は、任せる立場(所長・担当・補助)か、工事の種類(新築・改修)です。分けた求人ごとに年収の幅も分けると、3章で見た年収のずれも同時に減らせます。

出張・休みの実態は本文に書く

入力欄の「出張なし」「転勤なし」に収まらない実態は、仕事内容の本文に書きます。「転勤はありません。1つの現場ごとに半年〜1年の出張があります」のように、期間まで具体的に書いてください。

みなし残業の時間と、残業の実績の差も書いておきます。みなし残業が30時間で、残業の実績は20時間未満という会社が、働きやすさが伝わらないと悩んでいました。2つの数字を並べて書けば、条件のずれが減り、働きやすさも伝わります。

法律の面も押さえておきます。募集するときは、業務内容・賃金・労働時間などの労働条件を明示する必要があります(職業安定法第5条の3)。2024年4月からは「従事すべき業務の変更の範囲」と「就業の場所の変更の範囲」も、明示する事項に加わりました(出典:厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」)。

紹介会社に仕事の中身を伝える

紹介会社のアドバイザーが求人の背景を知らないと、「施工管理」とひと括りにした推薦が届きます。RC造のマンションを主力にするゼネコンが、アドバイザー向けの勉強会を自ら提案した例もありました。

紹介会社には、次の5つを最初に伝えます。

  • 自社の典型的な現場の1行
  • 合わない経験(通信系やメンテナンスだけの経験など)
  • 出張の有無と休みの曜日
  • 年収の上限と、その根拠
  • 過去に辞めた方の理由

合わない経験を先に伝えておくと、推薦の数は減っても、書類で見送る数も減ります。

面接と現場見学での確かめ方

入社後にしか分からないと思われがちな「現場の人数と任され方」と「社風」のずれも、入社前に確かめられます。面接で前の現場の中身を聞き返し、現場見学で自社の現場を見せる方法です。

前の現場の体制を聞く質問

職務経歴書で構造や規模を確かめたら、面接では体制と任され方に絞って聞きます。使いやすいのは次の4つの質問です。

  1. 「直近の現場は何人体制で、ご自身はどの役割でしたか」
  2. 「施工計画書や安全書類は、誰が作っていましたか」
  3. 「原価の管理は、どこまでご自身でしていましたか」
  4. 「同時に何現場を持っていましたか。現場には毎日いましたか」

聞くだけで終えず、質問ごとに自社の答えを返してください。「当社は3〜4名で1現場を持ち、安全書類は担当者が作ります」のように返すと、候補者は自社の現場の中身を知ったうえで選考に進めます。

「全部行けます」をそのまま受け取らない

設備・電気の施工管理を派遣している会社では、面接で「全部行けます」と答えた方が、入社後にはできなかったという経験を聞きました。

確かめるときは「できますか」ではなく、「最後にやったのはいつ、どの現場でしたか」と時期と現場で聞きます。答えに現場名・規模・役割が出てこない項目は、未経験に近いと見て、入社後の育成計画に入れておきます。

Web適性検査や能力検査を必須にしたり、外部機関の文章完成テストを使ったりと、適性検査を選考に入れる会社もあります。ただし経験の中身のずれは検査では分からないので、適性検査は補助として使うのが現実的です。

現場見学を選考に入れる

現場見学を選考に組み込んでいる会社は、すでにいくつもあります。直接聞いた例を並べます。

  • 寮を完備した総合電気工事会社は、1次選考に現場見学を入れている
  • 2回目の面接を現場見学にしている会社がある
  • 面接のあとに現場見学をしてもらい、ミスマッチを防いでいる会社がある
  • 必要に応じて入社前に現場を見せ、現場の環境を理解してから入社してもらう会社がある
  • オンラインで完結させず、一度は現場か会社を見てもらうと決めている会社がある

入れる位置の目安は、内定を出す前です。1次選考に入れると応募が減るのが心配な会社は、最終面接の前か後に入れてください。

見せるのは、現場の人数、朝礼から夕方までの流れ、書類を作る場所、協力会社とのやりとりです。候補者が前の会社の現場と比べられるものを選びます。見学のあとに「前の現場と一番違ったところはどこでしたか」と聞くと、候補者自身がずれを言葉にしてくれます。

合わない点を先に伝える

出張、休みの曜日、年収の上限、現場の人数など、候補者が嫌がりそうな条件は、面接の後半ではなく前半で伝えます。後半や選考の最後に回すと、候補者は内定後に初めて知る形になります。

社風のずれは、会社の考え方を言葉で聞いてもらうのが一番早く伝わります。1次面接で社長が自ら方針を語っている会社もあります。

ここにも法律の決まりがあります。求人票に書ききれず「詳細は面談で」とした条件も、原則として初回の面接など、最初に接触する時点までにすべて明示する必要があります(職業安定法第5条の3)。当初の明示から条件を変える場合は、同条第3項により、変えた内容を明示します(出典:厚生労働省「労働者を募集する企業の皆様へ」)。

内定から入社後90日までの進め方

入社後のずれは、なくすことはできなくても、辞める前に見つけることはできます。施工管理には現場の区切りを辞めどきにする方がいるので、最初の現場が終わる前に話を聞きます。

労働条件通知書に現場・工種・勤務地を書く

面接で話した担当工種、最初の配属現場、勤務地、出張の有無は、労働条件通知書に書きます。口頭の約束だけで入社日を迎えないようにします。

会社は労働契約を結ぶとき、賃金・労働時間などの条件を明示しなければなりません。明示された条件が事実と違う場合、働く側は即時に契約を解除できます(労働基準法第15条)。

求人票や面接の時点から条件を変えたときは、その内容も書面で示します。厚生労働省は、当初と変更後を比べられる書面で示す方法が望ましいとしており、労働条件通知書の変更箇所に下線を引く方法も挙げています(出典:厚生労働省「労働者を募集する企業の皆様へ」)。

最初の現場と指導役を先に決める

若手の早期離職は、配属される現場や指導役の当たり外れ、いわゆる「現場ガチャ」が主な原因になりがちです。中途の経験者でも、最初の現場を前の会社と近い構造・規模から始めると、2章で見た経験の中身のずれを入社後に吸収しやすくなります。

教育の体制を用意しないまま完全未経験の方を迎え、早く辞めてしまったという声もありました。指導役を決めずに入社してもらうと、経験の浅い方ほど離れやすくなります。

最初の現場が終わる前に面談する

ある会社の採用担当の方は、施工管理の辞め方について「とりあえずこの現場はやるけど、これで終わりです」という区切り方が多く、3か月では収まらないと話していました。紹介手数料の返金規定の期間を延ばすよう求めたり、定着率を採用の判断に置いたりする動きも、複数の会社で出ています。

面談の時期は、入社1か月、3か月、そして最初の現場が竣工する1〜2か月前を目安にします。最後の面談では、次の現場で何をしたいかを聞いてください。

面談で聞くのは、次の3つです。

  • 前の会社と一番違ったところ
  • 書類と現場の時間の配分
  • 相談できる相手がいるか

1章の6つのずれの表は、そのまま面談シートとして使えます。

ミスマッチ対策でよくある失敗3選

ミスマッチを避けようとした対策が、かえって応募を減らしたり、別のずれを生んだりすることがあります。

求人票の条件を実態より良く見せる

応募を増やそうとして、年収の上限や休みを実態より良く見せると、面接か入社後にずれます。2章で触れたハローワークへの申出等を要因別に見ると、「求人票の内容が実際と異なる」が1,478件で最も多くなっています(令和6年度・全産業。出典:厚生労働省「令和6年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」)。

要件を足して応募を絞る

ミスマッチが続いたあと、「経験10年以上」「1級必須」のように要件を足す会社があります。ところが2章と3章で見たずれの多くは、経験の中身や現場の体制、社風から来ていて、年数や資格では切り分けられません。要件を足しても、当てはまる人が減るだけです。

未経験の採用でミスマッチが出たため、経験者で有資格者の方に絞った会社があります。この会社では30代の有資格の経験者の採用が決まらず、ベテランと若手をつなぐ世代が空いたままでした。要件を足す前に、確かめる場所を増やしてください。

経歴の立派さだけで採用を決める

大手ゼネコンの出身や1級の保有など、経歴が立派な方ほど、面接で中身を聞かずに通しがちです。前の会社と現場の人数や担当の範囲が違うと、入社後に任される業務の広さでずれます。5章の「前の現場の体制を聞く質問」は、経歴が立派な方にこそ使ってください。

まとめ

施工管理の採用で起きるミスマッチは、経験の中身、現場の人数と任され方、求人名と仕事の中身、働き方の条件、年収、社風の6つのずれから起きます。どれも資格や年数だけでは見分けられません。

書類と面接で分かるずれは、求人票に自社の現場を1行で書き、面接で前の現場を聞き返すことで防げます。入社後に分かるずれは、現場見学で自社の現場を見せ、最初の現場が終わる前の面談で拾います。

要件を足すより、確かめる場所を増やすほうが、応募の数を保ったままミスマッチを減らせます。次の募集の前に、前回辞めた方のずれが6つのどれだったかを1つ書き出すところから始めてみてください。採用手法の選び方から見直す場合は、施工管理の採用|手法の選び方と決まる募集設計もあわせて読んでみてください。

取締役COO
高谷 匠
「次の1人も、半年で辞めてしまわないか」
ずれを確かめる場所は、求人票・紹介会社への依頼・面接・現場見学・入社後の面談に分けて置けます。TEAM-Xは施工管理・建設技術者に特化した人材紹介に加えて建設業の採用支援を行っており、求人票の仕事内容の書き直しから、選考に現場見学を組み込む手順までご一緒できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 紹介会社経由で採用すれば、ミスマッチは減りますか?

A. 紹介会社に依頼するだけでは減りません。アドバイザーが自社の現場の中身を知らないと、「施工管理」とひと括りにした推薦が来るからです。

自社の典型的な現場、合わない経験、出張や休みの実態、年収の上限を最初に伝えると、推薦の段階で絞られます。早期退職に備えて返金規定の期間を延ばすよう求める会社もあります。返金の率と期間は紹介会社ごとに違うので、契約の前に確かめておくと安心です。

Q. 現場見学は選考のどの段階に入れればいいですか?

A. 内定を出す前に入れてください。1次選考に入れる会社、2回目の面接を現場見学にする会社、面接のあとに見学してもらう会社があります。

応募が減るのを避けたい場合は、最終面接の前後に入れると、候補者の負担を抑えながら、入社前に現場の人数や1日の流れを見てもらえます。見学のあとに「前の現場と一番違ったところ」を聞くと、候補者自身がずれに気づけます。

Q. ミスマッチで辞めた方の後任を採用するとき、最初に何を見直せばいいですか?

A. 辞めた方のずれが、6つのどれだったかを最初に書き出してください。経験の中身や求人名のずれなら求人票と紹介会社への伝え方を、現場の人数や社風のずれなら面接の質問と現場見学を見直します。

退職の理由を本人から聞けているなら、それが一番の手がかりです。過去に辞めた方の理由を紹介会社にも伝えておくと、同じずれを持つ方の推薦を、推薦の段階で絞りやすくなります。

> 採用のご相談
建設業の採用課題、
専門家に相談してみませんか?
建設業に特化した人材紹介・採用コンサルティング・RPOのTEAM-Xが、貴社の状況を聞いたうえで打ち手を提案します。
無料で相談する
✓ 相談無料✓ オンライン対応✓ 建設業界特化

この記事の監修者

高谷 匠

高谷 匠TAKATANI TAKUMI

TEAM-X株式会社 取締役COO/一般社団法人建設技能者転職支援協会 代表理事

新卒でリクルートに入社し、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を経て、2025年12月にTEAM-Xへ参画。会社全体の事業戦略と組織構築を統括している。

  • 厚生労働大臣許可「建設業務有料職業紹介事業」(許可番号 27-ケ-30001。制度創設から約20年で全国4団体、関西の団体としては初)を運営する一般社団法人建設技能者転職支援協会の代表理事
  • TEAM-X株式会社 取締役COOとして、施工管理・職人の人材紹介から採用コンサルティング・RPOまでの事業戦略と組織構築を統括
  • 新卒でリクルートに入社後、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を歴任
監修者プロフィールを見る