TEAM-X株式会社

採用戦略

電気工事施工管理が採用できない4つの理由|求めすぎが母集団を潰す

UPDATED 2026.07.08AUTHOR 高谷 匠
高谷 匠

高谷 匠取締役COO

事業戦略と組織構築を統括するCOO。

求人媒体に出しても応募が来ない。来ても資格や経験領域が合わない。人材紹介に頼っても、なかなか紹介が上がってこない。電気工事施工管理の中途採用で、こうした手詰まりに陥っている電気工事会社・設備会社の人事担当者は少なくありません。

世の中には「電気工事士(職人)の人手不足」を扱う記事は多くあります。ところが、自社が本当に欲しい「施工管理(現場管理)の経験者」をどう採るかに踏み込んだ情報は、意外と限られています。職人の採用市場と施工管理の採用市場は、別物だからです。

この記事では、電気工事施工管理が採用できない原因を、市場構造・自社の見せ方・採用手法の3つの層に切り分けて整理します。そのうえで、第1種と第2種、1級と2級を使い分ける求人設計から、強電・通信のミスマッチ回避、実際に採れている会社が語る訴求軸まで、施工管理採用の現場で見てきた一次情報をもとに具体策を解説します。読み終えるころには、自社が次に何をすべきかが見えているはずです。

目次
> 採用のご相談
建設業の採用課題、
専門家に相談してみませんか?
建設業特化の人材紹介・採用コンサルティング・RPOのTEAM-Xが、貴社の状況をヒアリングし、最適な打ち手をご提案します。
お問い合わせフォームへ
相談無料 オンライン対応 建設業界特化

データで見る「電気工事施工管理が採用できない」現状

最初に、いま電気系の採用がどれだけ売り手市場なのかを確認しておきましょう。採れないのは自社だけの問題ではない、という前提を共有するためです。

有効求人倍率と人手不足の今

電気工事施工管理の採用が難しいのは、旺盛な設備投資需要に対して、資格と現場管理経験を併せ持つ人材の供給が極端に少ないからです。電気系の有効求人倍率は、全業種の平均を大きく上回る水準が続いています。

しかも、ここで出てくる数字の多くは「電気工事士(職人)」を中心としたものです。現場管理を担う電気工事施工管理は、有資格者の母数がさらに限られます。職人の不足以上に、施工管理は採りにくいと考えておくのが実態に近いでしょう。

1人の経験者を複数社が奪い合う構図です。求人を出して反応が薄いのは、企業側の努力不足というより、母集団そのものが薄いことが大きな要因になっています。

なぜ今これほど採れないのか(構造的背景)

採用難の背景は、需要側と供給側の2つに分けると整理しやすくなります。

電気工事の需要が増える要因担い手が減る要因
再開発・データセンター新設・再生可能エネルギーやEV充電インフラなどの設備投資で工事量が高止まり若年層の人口減少と就業者の高齢化
改修・更新の電気設備工事が常に発生「きつい・危険」などの業界イメージによる敬遠
時間外労働の上限規制(2024年問題)で1人あたりの稼働が制限され、必要人数が増えた第一種電気工事士の高齢化で大量退職時代が近い

需要が増える一方で、担い手は減り、しかも1人が働ける時間には上限ができました。結果として、現場の数に対して人が足りない状態が構造的に続いています。なお、職人の不足と施工管理の不足は連動しますが、採用市場としては別物です。だからこそ、闇雲に求人を出すのではなく、原因を切り分けて手を打つことが重要になります。

電気工事施工管理が採用できない本当の理由【人事のリアル】

ここからは、統計の話から一歩踏み込みます。電気設備会社の採用商談の現場で、人事担当者が実際に口にする「リアルな詰まりどころ」を紹介します。求人倍率の数字だけでは見えてこない部分です。

「第1種+1級+現場代理人経験」の上位層が市場に出てこない

強電や大型案件をこなせる人材として、多くの企業が「第1種電気工事士+1級電気工事施工管理技士+現場代理人経験」を求めます。ところが、この条件をすべて満たす人は現職に囲い込まれ、転職市場にほとんど出てきません。

逆に、応募してくる人の経験が「1000万円以下の小規模工事のみ」「弱電のみ」「民間中心」といった内容だと、官公庁や大型の強電案件を任せたい企業の要件には届かず、書類段階で噛み合いません。求める層は動かず、動く層は要件に届かない、という二重のズレが起きています。

年齢を緩めても解決しないことが多いのもこの職種の特徴です。50代後半以上になると、資格と経験をともに十分に備えた人がそもそも市場に少なく、上限を上げても該当者が出てこないのです。施工管理に特化して人材紹介を行う現場の感覚でも、電気の上位要件をすべて満たす経験者は希少で、実績として決まる年齢は40代半ばから50代前半に寄ります。

求職者が20代と50代に二極化し、欲しい30〜40代が市場にいない

転職市場に出てくる施工管理者は、20代と50代に偏っています。即戦力として一番欲しい30〜40代は、有効求人倍率が高く、市場に出てきにくい層です。

多くの会社が「若手が欲しい」と言いますが、実際に決定するのは年齢が上の層になりやすいというギャップが起きています。「若手狙い」の前提のまま動くと、応募ゼロが続きかねません。

50代の候補者は、大きく2つに分かれます。さらなるキャリアアップや年収を狙う層と、転居や転勤を避けて1拠点での定着と生活時間を取りに来る層です。後者には、年収アップよりも「転居なし・残業少なめ・通勤が近い」といった生活時間の訴求が刺さります。

年代市場での動きやすさ刺さりやすい訴求
20代出てきやすい(若手・第2種層)資格取得支援・キャリアパス
30〜40代最も出てきにくい待遇+裁量・大型案件の経験
50代出てきやすい(二極化)生活時間、またはキャリアアップ

資格要件と経験領域のミスマッチで、応募が空回りする

求人票の書き方そのものが、母集団を狭めているケースも多く見られます。

代表的なのが、資格要件の盛りすぎです。「第1種+1級必須」で出すと、該当者がほぼゼロになります。実際には「第2種電気工事士+実務経験」でも、人物次第で十分に戦力化できる場面が多いのに、入口で弾いてしまっているのです。

経験領域のミスマッチも、電気ならではの落とし穴です。同じ「電気」でも、強電と弱電、電気と電気通信では現場がまるで違います。たとえば通信メインだった人は、涼しい室内から汚れる現場への環境差を嫌う傾向があり、要件には合っても定着しないことがあります。電気通信の中でも、道路や鉄道、共同溝(ホームの行先表示板や線路沿いのケーブル敷設など)と、携帯電話の基地局では対象が分かれます。求人票が曖昧だと、畑違いの応募が増えてしまいます。

「電気施工管理」とひとくくりに募集することにも注意が必要です。施設の保守や運用だけの経験者、つまり建築現場の施工管理経験がない層が応募し、書類で見送ることになり、双方が消耗します。求人票には、対象とする工事の種類を具体的に書いておくことが欠かせません。

「媒体に出せば来る」が通用せず、紹介にも不信がある

電気工事施工管理では、求人媒体に出稿しても経験者がほとんど反応しません。媒体掲載だけで母集団が集まる時代ではなくなっており、手数料が高くても人材紹介に頼らざるを得ない企業が増えています。

一方で、その人材紹介にも不信が根強くあります。「料率が高い分、質の高い人材を確実に紹介できる」と言われ、料率を下げずに信じて契約したのに、3か月間で1件も紹介がなかった、という声は珍しくありません。

採用担当者が本当に気にしているのは、料率の高さよりも「本当に、そして定期的に紹介が来るのか」という一点です。ここを理解せずに「うちは料率が安いです」と訴えても、響かないのです。

「採用できない」を抜け出す自社でできる打開策

原因を切り分けたら、次は打ち手です。外注を検討する前に、自社で動かせる施策から着手するのが基本になります。まず全体像を押さえてください。

打開策狙い着手難易度
資格要件を2段で出し分ける母集団を二重に確保する
求人票を他社と差がつく点に絞る応募の質と量を上げる
スカウトを初速勝負で運用する攻めの母集団形成
立地に合った層へ狙いを絞る通える人に届ける
人材紹介を希少層に絞り確実性で選ぶコストを抑える
選考フローを候補者負担で設計する離脱を防ぐ

応募の質と量を変える求人設計

資格要件を「2段」で出し分け、入口を自ら狭めない

電気工事施工管理の求人は、要件を1本に絞らず、2段で出し分けると母集団が広がります。上位要件は「第1種+1級+現場代理人経験、強電や大型案件の対応」、標準要件は「第2種以上+電気施工管理の実務経験、資格はマスト外」という構えです。

実際に、上位要件枠は中核を担う即戦力として、標準枠は人物重視(意欲・明るさ・覇気)で第2種のみでも採用し、入社後に第1種や1級を取らせる、と分けて運用している電気設備会社があります。第2種のみで入社した人が、半年で第1種を取得したケースもあります。最初から完璧な人だけを待つより、入口を2段にしたほうが採用は前に進みます。

求人票では、対象とする工事を明示してください。強電か弱電か、電気か通信か、官公庁か民間か、案件規模はどのくらいか。ここを書いておくと、保守や運用だけの層が誤って応募することを防げます。

求人票は「他社と明確に差がつく」要素だけ書く

業界標準のスペックをいくら並べても、求人票は埋もれます。他社と比べて明確に突き抜けている要素だけを前面に出してください。年間休日、残業時間の少なさ、転勤の有無、社用車の貸与、年収、資格取得支援などです。

年収は月給単独ではなく、賞与や昇給、決算賞与を含めた年収レンジで併記すると、応募の母数が増えます。たとえば年間休日125日、残業が年間平均20時間未満という働き方は、電気設備会社の中でも頭一つ抜けた条件です。こうした数字を具体的に見せると、応募の反応が変わります。

求人票そのものをどう直すかは、別記事『施工管理の求人票の書き方|応募が来る7つの要素』で、応募が動く7つの要素に分けて具体的に解説しています。

「待ち」から「攻め」へ:チャネルの使い分け

スカウトは初速勝負で、既存社員の入社理由をフックにする

スカウトは、掲載初週に集中的に送るほうが返信率が高くなります。少しずつ送り続けるより、立ち上がりに勢いをつけるのが鉄則です。

スカウト文の中身は、既存社員がなぜ入社したのかを先に言語化し、その動機をフックに使うと響きやすくなります。官公庁案件に関われるやりがい、転居がないこと、休みの取りやすさなど、自社の社員が実際に魅力に感じている点を、求人票より先に言葉にしておきましょう。

立地の壁は「通える人」へ狙いを絞って攻める

電気設備会社は、本社や拠点が郊外にあることも多く、立地が応募のネックになりがちです。実際に、拠点によっては都市部在住者がほとんど応募も入社もしない、というケースがあります。

立地は短期では変えられません。だからこそ、最初から商圏内や周辺県の在住者、地元へのUターンやIターンを希望する層に狙いを絞るのが現実的です。そのうえで、社用車の貸与、直行直帰、転居なし、1拠点での定着といった「通勤や生活の負担が軽い」要素を前面に出し、立地のハンデを訴求で補います。

人材紹介は「自社で拾えない希少層」に絞り、紹介の確実性で選ぶ

人材紹介の手数料は、要件や資格に応じて段階的に変わり、上位要件ほど高くなりやすいのが実情です。コストが重いため、すべてを紹介に頼るのは得策ではありません。自社のスカウトでは届かない希少な候補だけに絞って使う、と割り切るのがコスト対効果を高めるコツです。

エージェントを選ぶときは、料率の高さで選ばないことが大切です。高い料率を払っても紹介ゼロでは意味がありません。契約前に、見込めるリード(候補者接点)の量はどのくらいか、何件当たって推薦に至らないのか、その理由を共有してくれるか、を必ず確認してください。進捗を正直に開示してくれる相手かどうかが、判断の軸になります。

候補者を逃さない選考プロセス

推薦・連絡は「メール+電話一声」で埋もれさせない

紹介や推薦がメールだけだと、他社の推薦に埋もれてしまいます。窓口担当者の携帯に一声入れる運用にすると、反応率が上がるという現場の工夫があります。連絡の一手間が、選考のスピードを左右します。

選考は、一次をWeb面接、最終のみ対面という2段階にすると、現職中の候補者の負担が下がります。夜間やカジュアルな面談に柔軟に対応するのも有効です。

最終面接後は放置しない

最終面接の後に時間を空けると、現職の引き止めにあって温度が下がります。一定期間を過ぎたら、メールではなく電話でフォローに切り替える基準を持っておきましょう。内定後に、本人だけでなく家族へ向けた説明やフォローまで踏み込む会社もあります。

経験者が無理なら「資格は緩め、実務経験で母集団を広げる」

電気工事施工管理は、完全な未経験では成立しにくい職種です。だからこそ、他職種でよく言われる「未経験を採ろう」をそのまま当てはめるのではなく、電気ならではの広げ方を考えます。資格は後から取らせる前提で、実務経験のある隣接層まで母集団を広げる、という発想です。

「資格なし・経験あり」「第2種のみ」をどこまで拾うか

第1種や1級がなくても、電気施工管理の実務経験があれば戦力化が見込めます。資格は、入社後の取得支援でカバーする設計にすればよいのです。

優先したいのは、完全未経験ではなく「微経験」の層です。電気工事士として現場で働いた経験がある人、保守から施工管理への転換を志望する人などです。そのうえで、動機の強さと現場への適性で見極めます。第2種のみでも、意欲や人柄が良ければ採用し、入社後に上位資格を取らせて中核へ育てた実例もあります。

未経験・微経験や隣接工種から採る母集団のつくり方は、別記事『施工管理の未経験採用|微経験・隣接工種から採る設計』で具体的に解説しています。

隣接領域からの転換は「現場環境ギャップ」で早期離職させない

通信や弱電、保守からの転換者は、強電や建築現場の「暑さ・汚れ・体力」のギャップで早期に離脱しやすい傾向があります。選考の段階で現場のリアルを正直に伝え、覚悟を確認しておくことが、ミスマッチを防ぎます。

転換者には、最初の配属とOJTを丁寧に組むことが欠かせません。半年から1年の習熟期間を前提に、定着率そのものを採用のKPIに含めておくとよいでしょう。経験を「すでに使える部分」と「これから埋めるべきギャップ」に分けて見極めると、受け入れ後の育成がぶれません。

採れている電気設備会社が語る「自社の強み」の言語化

ここは、他社の記事ではなかなか読めない部分です。電気設備会社の人事へのヒアリングから、実際に転職の決め手になった訴求軸を紹介します。一般論ではなく、人事自身の言葉と実数で語れることが、自社の強みを言語化するヒントになります。

労働時間は「年間休日×残業実態」をセットで開示する

「残業少なめ」とだけ書いても、もう信用されません。年間の休日日数と残業の実態を、平均と繁忙期の両方で併記する誠実さが効きます。

たとえば、年間休日125日、残業が年間平均20時間未満という電気設備会社があります。土日や夜間に作業が入ったときは、振替や代休の取得を会社が推奨しています。こうした実態を数字で見せると、働き方の不安が先に立つ候補者にも届きます。みなし残業の設定額と実態の乖離で損をしている企業は、実態を数字で示すだけで、一気に魅力に変わります。

官公庁・誰もが知る施設という「足跡が残る」やりがい

電気設備会社ならではの強い訴求軸が、官公庁案件や有名施設の現場に関われることです。自分の仕事が社会に残る、誰もが知る建物に足跡を残せる、という実感は、候補者にとって大きな動機になります。

公共案件が多い会社は、民間中心の会社とは異なる安定性も持っています。受注が継続しやすいことは、転職時の安心材料として言語化できます。

転居なし・1拠点定着・決算賞与など「条件の明文化」で勝つ

転居を伴う異動がなく、1拠点で働き続けられることは、家族の生活を守りたい層に強く刺さります。特に30代以降や、生活時間を重視する50代層には、年収以上の決め手になることがあります。

条件は、曖昧にせず明文化することが大切です。たとえば決算賞与を「利益がいくらで何か月分」と取り決めて見せる、創業から数十年という地場での認知をきちんと伝える、といった具合です。住宅手当のように自社にない条件は無理に作らず、通勤の近さ、定着のしやすさ、賞与といった、ある強みで勝負します。

資格取得支援で「市場価値が上がる職場」と示す

第1種電気工事士や1級電気工事施工管理技士の受験費用を会社が負担し、資格手当をつけ、さらに勉強時間を確保するための業務調整まで踏み込むと、明確な差別化になります。

入社後に上位資格を取らせ、強電や大型案件を任せていくキャリアパスは、候補者自身の市場価値の向上に直結します。入社半年で第1種を取得した、数年で現場代理人になった、といった成長スピードを具体例で見せると、意欲のある層に届きます。

資格は入社後に取らせるという採用設計のつくり方は、別記事『施工管理の資格取得支援|入社後に取らせる採用設計』で詳しく解説しています。

採用代行・人材紹介を使うべきか(外注の判断軸)

自社の打ち手をひととおり整えたうえで、それでも足りない部分を外注で補う、という順番が基本です。ここでは「自社か外注か」で迷う方に判断軸を渡します。

自社採用と外注(採用代行・人材紹介)の使い分け

まず、自社のスカウトや求人で拾える層と、拾えない層を切り分けます。希少な上位有資格者や、短期で決めたいポジションは外注が向きます。一定の母集団が見込める標準枠は、自社で対応するという設計です。

採用代行(RPO)は、スカウトの工数そのものを外に出す選択肢です。人材紹介は、成果報酬で母集団を補う選択肢です。役割が違うので、自社に足りないのが「手」なのか「母集団」なのかで選びます。

電気・建設特化エージェントと総合型エージェントの違い

電気や建設に特化したエージェントは、個別化されたフローで動き、希少資格や経験領域の見極めに強いのが特徴です。求人をピンポイントでスカウトし、面談で魅力を訴求してから応募意思を確認し、経歴を伏せて紹介する、という流れです。総合型は、母集団を集めてさばくモデルになります。

ここでも、選ぶ基準は料率の高さではありません。「紹介の確実性」と「進捗の透明性」です。高い料率を払って紹介がゼロだった、という経験を踏まえ、契約前に見込めるリード数や、推薦に至らない場合の理由共有の有無を確認しておきましょう。

職人(電気工事士・現場作業員)が採れない場合の対処法

施工管理だけでなく、電気工事士や現場作業員が採れずに困っている会社も多いはずです。ここにはほとんど知られていない構造があります。職人の有料職業紹介は原則として認められておらず、厚生労働省の認可(建設業務有料職業紹介事業)を持つ団体だけが紹介できます。

全国で実際に稼働している認可団体はごくわずかで、参入の要件が高いことが背景にあります。職人が採れないという課題には、こうした認可エージェントという選択肢があることを知っておくと、打ち手の幅が広がります。施工管理に加えて職人採用にも詰まっている会社ほど、この構造を押さえておく価値があります。

職人(現場作業員)の採用は施工管理とは別の難しさがあり、別記事『職人の採用方法|紹介が使えない理由と打開策【建設会社向け】』で解説しています。

電気工事施工管理の採用でやりがちな失敗例・逆効果なパターン

最後に、自社のやり方を点検するためのチェックリストとして、よくある失敗例を挙げます。当てはまるものがあれば、見直しの起点にしてください。

資格要件を盛りすぎて、母集団を自分で潰す

「第1種+1級必須」で出して、該当者がゼロになるパターンです。標準枠(第2種+実務経験)を併せて設ければ拾えたはずの層を、入口で弾いてしまっています。

資格は入社後の取得支援で埋められる、という前提を持たないと、最初から完璧な人だけを待ち続けることになります。求める人がいない求人を出し続けるほど、採用は遠のきます。

強電/弱電・電気/通信を区別せず、ミスマッチ応募を量産する

「電気施工管理」と曖昧に募集して、保守や運用だけの経験者や、畑違いの通信経験者が応募し、書類選考で双方が消耗するパターンです。

求人票に対象工事を書かないと、選考の途中でズレが発覚します。強電か弱電か、官公庁か民間か、案件規模はどのくらいか、通信なら道路や鉄道か基地局か。ここを最初に明示するだけで、応募の精度が変わります。

選考が遅い・立地の壁を放置する

連絡が遅く、選考フローが重いと、現職中の優秀な層から離脱していきます。最終面接の後に放置して、現職の引き止めに負けるのも典型です。一定期間で電話フォローに切り替える、という基準を決めておきましょう。

郊外や地方の拠点なのに、都市部在住者ばかりを狙い続けるのも空振りのもとです。通える層やUターン層への絞り込みと、通勤補助の訴求を怠らないことが、立地のハンデを埋めます。

まとめ:電気工事施工管理を採用できない状態から抜け出すために

電気工事施工管理が採用できない状態は、3つの層に切り分けると、次に手を打つ場所が見えてきます。

1つ目は市場構造です。上位の有資格者が市場にいない、求職者が20代と50代に二極化している、という前提を受け入れたうえで、ターゲットを現実に合わせます。2つ目は自社の見せ方です。第1種と第2種、1級と2級を2段で出し分け、資格は入社後の取得支援でカバーする前提に立てば、母集団は大きく広がります。あわせて、労働時間や官公庁案件のやりがい、転居なしといった訴求軸を、人事自身の言葉で言語化します。3つ目は採用手法です。媒体の使い分けと選考フローを整え、自社で届かない部分だけを外注で補います。

経験者が無理なら、資格を緩めて実務経験のある層まで母集団を広げ、定着までを採用設計に含めることも欠かせません。採れている電気設備会社は、お金以外の強みを誠実に語っています。自社の強みを言葉にするところから、始めてみてください。

電気工事施工管理の採用は、原因の切り分けと、自社の強みの言語化が出発点です。とはいえ、これを自社だけでやりきるのは簡単ではありません。TEAM-X株式会社は、施工管理に特化した人材紹介と採用支援を展開し、資格要件の設計から求人票の作り込み、媒体やスカウトの使い分け、選考フロー設計まで伴走しています。実際に、電気工事の元請企業で、媒体ごとにターゲットを分けて施工管理と職人と経理を同時に採りにいく設計を支援した事例もあります。「第1種+1級で出すと誰も来ない」「媒体に出しても反応がない」「高い料率で契約したのに紹介が上がってこない」といった電気工事施工管理ならではの詰まりどころに、現場の一次情報をもとに具体策をご提案します。私たちは料率の高さで選ばれることよりも、紹介の確実性と進捗の透明性で信頼されることを大切にしています。まずは自社の採用課題の切り分けから、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 電気工事施工管理が採用できないのは、自社の条件が悪いからですか?

A. 条件だけが原因とは限りません。電気工事施工管理は旺盛な設備投資需要に対し、資格と現場管理経験を併せ持つ人材の供給が極端に少なく、有効求人倍率も他職種より高い水準が続いています。まずは市場構造・自社の見せ方・採用手法の3層に分けて切り分けることが大切です。特に資格要件を「第1種+1級必須」と盛りすぎて母集団を自ら狭めているケースは多く、標準枠(第2種+実務経験)を併せて設けるだけで応募が変わることもあります。

Q. 第1種電気工事士や1級電気工事施工管理技士の有資格者が、どうしても採れません。資格なしでは無理でしょうか?

A. 資格は入社後の取得支援でカバーできる、という前提に立つと母集団は大きく広がります。第2種電気工事士と電気施工管理の実務経験があれば戦力化が見込めるため、人物重視で採用し、入社後に第1種や1級を取らせる設計が現実的です。ただし完全未経験は定着が難しいため、電気工事士としての現場経験や隣接領域からの転換志望といった「微経験」層を優先し、強電や建築現場の環境を正直に伝えたうえで覚悟を確認することが、早期離職を防ぐカギになります。

Q. 人材紹介を使っていますが、料率が高いわりに紹介が来ません。エージェントはどう選べばよいですか?

A. エージェント選びで最も大切なのは、料率の高さではなく「本当に、定期的に紹介が来るか」「進捗を正直に開示してくれるか」です。料率が高くても紹介ゼロでは意味がありません。契約前に、見込めるリード(候補者接点)の量、何件当たって推薦に至らないのか、その理由を共有してくれるかを確認しましょう。あわせて、自社のスカウトや求人で拾える標準枠は自社で動かし、自社では届かない希少な上位有資格者だけを紹介に絞ると、採用コスト全体が下がります。

> 採用のご相談
建設業の採用課題、
専門家に相談してみませんか?
建設業特化の人材紹介・採用コンサルティング・RPOのTEAM-Xが、貴社の状況をヒアリングし、最適な打ち手をご提案します。
お問い合わせフォームへ
相談無料 オンライン対応 建設業界特化

Author

高谷 匠

高谷 匠TAKATANI TAKUMI

取締役COO

新卒でリクルートに入社し、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を経て、2025年12月にTEAM-Xへ参画。会社全体の事業戦略と組織構築を統括している。