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採用戦略

建設業の採用代行|頼む前に、自社に必要かを5つの項目で確かめる

公開日 2026.10.28監修 高谷 匠
高谷 匠

この記事の監修者

高谷 匠

TEAM-X株式会社 取締役COO/一般社団法人建設技能者転職支援協会 代表理事

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求人を出しても応募が来ない。応募が来ても、現場から戻ってから連絡しようと思っているうちに数日が過ぎ、返事がないまま終わる。建設業の採用代行を調べ始めるきっかけは、たいていこのあたりにあります。

採用の担当を総務や経理と兼ねていたり、社長と現場の所長が手分けしていたりする会社は珍しくありません。手が空くのは現場が終わった夕方以降で、求人原稿の手直しは何年も後回しになりがちです。

採用代行は、この「手が足りない」を外から埋める手段です。ただし、採用が進まない原因が人手の不足でなければ、頼んでも状況は変わりません。応募数や一次連絡までの日数など、手元の記録で答えられる5項目で、まず自社に必要かを確かめてください。必要と分かれば、施工管理と職人で使える手段が違う点を押さえたうえで、任せる範囲と料金の払い方を決めていけます。

「頼む意味があるのか、契約の前に確かめておきたい」という方は、目を通してみてください。

目次
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TEAM-Xの人材紹介サービス概要資料

建設業に特化した人材紹介の特徴をまとめました

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採用代行を頼む前に確かめること

建設業の採用代行で補えるのは、人手と時間です。求人の中身や採用基準が決まっていない場合は、頼んでも採用は進みません。

採用が進まない理由が、人手の不足ではない会社もあります。契約する前に、自社がどちらに当たるのかを確かめておきます。

手元の記録で確かめる5項目

他部署や現場に聞かなくても、手元の記録だけで答えられる5項目です。

確かめる項目見るところ
直近12か月の応募数媒体ごとに分けて数える
応募から一次連絡までの日数平均ではなく、遅れた件がどれだけあるか
面接まで進んだ割合応募のうち何割が面接に来たか
辞退の理由日程・条件・他社決定のどれが多いか
採用基準の文書誰が見ても同じ判断ができる形で残っているか

良し悪しを決める線は、会社の規模や職種で変わります。前の年や媒体どうしで比べて悪くなっていないか、辞退の理由が日程に偏っていないか、基準が口頭だけになっていないかを見てください。

読み方は単純です。上の4つが悪くて5つ目に問題がなければ、手が足りていない状態です。5つ目が空欄なら、外に出す前に社内で決めることがあります。

人手が足りないだけの会社

求人の中身は悪くないのに、担当者の手が回らず、求人の手直しや応募者への連絡が後回しになっている会社があります。この場合は、代行に頼んだ分だけ作業が進みます。

変わるのは次のような部分です。応募者への一次連絡が早くなる、求人原稿が定期的に手直しされる、スカウトが止まらない、面接の日程調整が現場の予定を待たずに進む。

費用が見合うかは、担当者の作業時間で考えます。求人の手直しや日程調整にかかっていた時間を社内の人件費に置き換え、代行の見積もりと並べてみてください。

採用代行の「メリット」としてよく並ぶ工数削減やスピードの改善は、この状態の会社に当てはまる話です。

求人の中身と基準が決まっていない会社

ある中堅の建設会社は、離職が少なく働きやすい環境を整えています。それでも数年にわたって紹介や応募そのものに至らず、知人の紹介による1名を除いて採用がほぼ進んでいませんでした。問い合わせが来ても、住宅の経験だけの候補者は自社の非住宅の工事と合わず、選考に進まないといいます。

この状態で運用の手数だけ増やしても、誰に来てほしいかが求人で伝わっていなければ、合わない問い合わせが増えるだけになりやすいでしょう。

別の会社では、全社で統一された採用基準がなく、部署ごとの判断で基準がそろわなくなることを心配していました。基準が部署ごとに違うと、代行会社が一次の仕分けをしても、社内で判断がそろいません。

どちらの場合も、外に出す前に社内でやることが3つあります。

  1. 既存社員に入社を決めた理由を聞き、言葉にしてスカウトの書き出しに使う
  2. 条件のうち、他社と比べて明らかに差がつくものだけを求人に書く
  3. 採否の基準を1枚にまとめ、部署をまたいで共有する

求人票の書き方そのものは、求人票の書き方の記事で項目ごとにまとめています。原因の切り分けから採用全体を見直したい場合は、建設業の採用の進め方も参考にしてください。

採用代行が向かない3つのケース

採用代行は運用の手数を外に出す手段なので、手数が足りている会社や、採る人数が少ない会社では割高になります。

年に1名だけ採る会社

施工管理を年に1名だけ採るなら、通年契約の月額より、入社が決まったときだけ払う人材紹介のほうが総額を読みやすくなります。

職人の募集を社内で回せている会社

職人は法律上、一般の人材紹介会社に頼めないため、外に出せるのは主に募集の運用の手数です。すでに社内で媒体を回せているなら、外に出す意味は薄くなります。

採用のノウハウを社内に残したい会社

丸ごと出すのではなく、スカウトの送信だけ、日程調整だけ、と工程を切って出す形を検討してください。設計から自社で回せるようになりたいなら、採用コンサルティング(自社で回すための設計の支援)のほうが合います。

ここまで読んで頼む意味がありそうなら、次は何を任せられるかを見ていきます。

採用代行に任せられる業務と社内に残る仕事

採用代行とは、求人票の作成から媒体の運用、スカウトの送信、応募者への連絡、面接の日程調整まで、採用の実務を外部の会社に任せる仕組みです。RPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれ、指しているサービスは同じです。

検索すると「施工管理のアウトソーシング」も一緒に出てきますが、こちらは施工管理技士を外部から現場に置く話で、別物です。この記事が扱うのは、人を採る業務の外注です。

業務任せられるか社内で持つこと
求人票の作成任せられる求人に書く条件を決める
媒体の選定と掲載任せられる媒体の予算を決める
スカウトの送信自社の条件どおりなら任せられる送る相手の条件と文面の材料を渡す
応募者への一次連絡任せられる連絡の期限を決める
面接の日程調整任せられる面接に出る人の枠を空ける
書類選考の一次仕分け基準どおりの仕分けまで任せられる誰を次に進めるかを決める
面接の実施一部なら任せられる最終面接に自社の人が出る
採用基準の決定任せられない誰を採るかを決める
労働条件の決定任せられない給与・休日・勤務地を決める
内定通知連絡だけ任せられる内定を出すかを決める

表の上半分は手数の仕事、下半分は判断の仕事です。代行で軽くなるのは上半分ですが、任せられる業務でも、右の列に書いたことは社内に残ります。

求人票の作成と求人媒体の運用

建設会社の求人票が止まるのは、原稿を直せる時間が事務所にいる時間しかないからです。現場が動いている日中は手が付かず、何年も前に作った原稿がそのまま出続けます。

代行会社が手を入れるのは、募集要項の文言、給与レンジの書き方、仕事内容の書き分け、写真の差し替えといった部分です。媒体ごとに原稿を作り分ける作業もここに入ります。

建設業で差が出やすいのは、職種ごとに求人ページを分けるかどうかです。施工管理と現場作業員を1つの求人に混ぜると、どちらの方にも届きにくくなります。職種ごとにページを分ける作業まで代行に含まれるかを、契約前に確認してください。

給与の書き方も、代行に指示できる範囲です。月給の幅だけを載せるより、賞与と昇給を含めた年収レンジを併記したほうが応募数が増えた、という運用は実際に使われています。

一方で、求人票に書く条件そのもの、つまり給与・休日・勤務地は会社が決める領域です。ここは外に出せません。

スカウトの送信と応募者への一次対応

スカウトは、送る通数と出だしの速さで結果が変わる作業です。掲載した最初の週に集中して送ると返信が集まりやすく、兼務の担当者がいちばん落としやすい工程でもあります。

応募から連絡までの日数が空くほど、その間に他社の選考が進みます。代行に出せるのは、スカウト文面の作成、送信、返信の受け取り、日程の打診までです。誰を選ぶかの基準は社内に残ります。

職人向けの媒体では、メッセージを見ない方が多い前提で動く必要があります。応募者の電話番号が分かるなら、追加のメッセージより直接電話したほうが反応を得やすいのが実情です。この電話の一手間を代行会社が持っているかで、職人の応募への反応が変わります。

面接の日程調整と選考の進行管理

建設業で選考が詰まりやすいのは、面接に出る人が現場にいるためです。候補者の希望日と社内の空きが合わず、初回面接がどんどん先に延びます。

代行が担うのは、候補者と社内の日程をすり合わせ、前日にリマインドを送り、当日の案内と選考結果の連絡までを回すことです。予約ページとオンライン会議の固定URLを用意して、候補者が自分で面談枠を押さえられるようにする運用もここに入ります。日程調整の往復が消えるので、他社と並行している候補者の離脱が減ります。

面接の形も一緒に決めておきます。一次はオンライン、最終は事務所という2段階にすると、在職中の候補者の負担が下がり、最終面接で通勤のイメージも持ってもらえます。

この段階で、選考の記録がどこに残るかも決めておいてください。誰がいつ何を見て見送ったかが手元に残らないと、次の採用で同じ判断を繰り返せません。

社内に残る採否と労働条件の決定

採否の最終判断は社内に残ります。雇用契約を結ぶのは自社なので、誰を採るかは外に出せません。給与レンジ・勤務地・休日・賞与といった労働条件も、会社が決めて求人に載せます。

自社の売りを決めることも社内に残ります。外部の会社が言葉にするのを手伝うことはできても、もとになる事実がなければ書けません。

法律の線引きも2つ押さえておきます。

1つ目は委託募集です。職業安定法第36条第1項は、労働者を雇用しようとする者が、自社の従業員以外の者に報酬を与えて募集に従事させるときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定めています(出典:職業安定法第36条)。許可を受ける側は、依頼先ではなく募集する会社です。

2つ目は職業紹介との境目です。厚生労働省の業務運営要領は、求人サイトなどの募集情報の提供について、求人者に代わって採用候補者を選定するような形を事業として行う場合は職業紹介事業の許可等が必要になる、と例を挙げています(出典:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第1)。

スカウトの送り先や書類選考の通過も、外部が自分の判断で選ぶ形にすると、この線に近づきます。送る相手や通す条件は自社が決めて渡し、次に進めるかの判断は自社に残しておきます。

契約が「募集そのものを任せる形」なのか、「自社名義の募集の事務を手伝ってもらう形」なのかで、必要な手続きが変わります。自社の契約がどれに当たるかは、条文と業務運営要領を確認し、迷う場合は都道府県労働局に問い合わせてください。

ここまでで、外に出せる仕事と残る仕事の線が見えました。次は、建設業ならではの分かれ目である職種の違いです。

施工管理と職人で変わる採用代行の使いどころ

建設業の採用代行を調べると、職種を区別せずに「建設業の採用」として説明している記事がほとんどです。けれども建設業では、職種によって使える手段そのものが違います。

職種で変わるのは、有料の職業紹介と労働者派遣が使えるかどうかです。採用代行は、どちらの職種でも使えます。この違いを先に押さえると、代行に何を期待するかが決まります。

職種有料の職業紹介労働者派遣採用代行
施工管理使える使える(専任の主任技術者・監理技術者を除く)使える
設計・積算・CADオペレーター使える使える使える
現場作業員(とび・鉄筋・型枠・電工など)許可を受けた団体だけ原則使えない使える
事務・経理使える使える使える

施工管理は人材紹介と組み合わせられる

施工管理の仕事は工程・品質・原価・安全の管理で、工作物を直接つくる作業ではありません。法律上の「建設業務」にあたらないため、人材紹介も派遣も使えます。

ただし、主任技術者・監理技術者として現場に置く人は、会社と直接的かつ恒常的な雇用関係にあることが求められます(出典:国土交通省「監理技術者制度の運用等について」4項)。専任の主任技術者・監理技術者は派遣の対象外とも明記されています(出典:厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」令和8年10月版p.40)。配置技術者として置く人は、直接雇用で採ります。

施工管理の求人は、求職者の数に比べて多いのが現状です。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.65倍(2026年3月・常用〈パート含む〉)で、求職者1人あたりの求人数は職業計の1.10倍のおよそ5倍です(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」参考統計表7-1)。ハローワークの統計なので転職市場全体の数字ではありませんが、1人の求職者を多くの会社が取り合う構図は読み取れます。

そのため施工管理では、手段を組み合わせる考え方が合います。媒体の運用は代行に任せ、媒体に出てこない経験者には人材紹介で接点をつくるという分担です。

職人は有料紹介も派遣も原則禁止

職業安定法第32条の11は、建設業務への有料職業紹介を禁じています。労働者派遣法第4条も、建設業務への派遣を禁じています(出典:職業安定法、労働者派遣法)。

例外は建設業務有料職業紹介事業です。厚生労働大臣の認定と許可を受けた建設事業主団体だけが行え、許可を受けている団体は2026年9月1日時点で4つあります(出典:厚生労働省「建設業務有料職業紹介事業」)。そのうちの1つ、一般社団法人建設技能者転職支援協会はTEAM-Xのグループ法人です。

団体の紹介を受けるには、求人を出す会社がその団体の構成員であるか、紹介される求職者が構成員または構成員に常時雇用されている人であることが条件です。紹介の対象は、期間の定めのない雇用に限られます(出典:建設労働者の雇用の改善等に関する法律 第2条第7項)。一般の人材紹介会社が、職人を有料で紹介することはできません。

ここで誤解しやすいのは、「人を紹介してもらえない」ことと「募集を手伝ってもらえない」ことが別の話だという点です。第32条の11が禁じているのは有料の職業紹介です。募集の手伝いをどう扱うかは、先ほどの委託募集の線引きで確かめます。

職人を採りたい会社が外の力を借りるなら、許可を受けた団体に紹介を頼むか、募集の設計と運用を任せるかのどちらかになります。一般の人材紹介会社で職人を扱えない理由と、許可団体の仕組みは、職人の人材紹介の記事で詳しく説明しています。

職人の採用で使える手段

一般の人材紹介会社に頼めない前提で、職人の応募につながっている手段は次のとおりです。

  • 求人媒体(Indeed、助太刀)
  • ハローワーク
  • 知り合いからの紹介
  • オフラインの広告

職人にはスマホでの転職活動に慣れていない方も多く、応募がいくつもの経路に分かれます。1つの媒体だけで拾おうとすると取りこぼします。

関西圏の建設会社では、バスの背面広告が作業員募集の定番になっています。現場への移動中の同業者の目に入るため、デジタル媒体だけでは届かない方に届きます。

媒体の中でも役割が分かれます。助太刀に載せた求人もIndeedに表示されますが、上位に出る仕組みにはなっていません。Indeedに直接予算を入れて自社で運用すると、助太刀とは別のルートで応募が取れます。

作業員の求人に、資格を取って施工管理へ進む道筋を書いておくのも有効です。長く働きたい方にも、同じ求人で届きます。

どれも運用の手数がかかる作業で、採用代行に出しやすい領域です。媒体ごとの原稿、電話での一次対応、表示回数や応募数の月次の確認まで、どこを任せるかを決めて見積もりを取ってください。

採用代行の3つの料金体系

採用代行の料金は、月額固定型、従量課金型、成果報酬型の3つに分かれます。どれが安いかではなく、自社が年に何名採るかで合う体系が変わります。金額は任せる業務の範囲で大きく変わるので、見積もりで確かめてください。

料金体系費用がかかる単位向いている採用ペース契約前に聞くこと
月額固定型1か月ごと通年で募集を続ける月額に含まれる業務の量
従量課金型スカウト1通・選考1件など一時的に採用が増える月あたりの上限額
成果報酬型採用1名ごと採用人数が読めない着手金・最低契約期間

月額固定型

決まった業務量を毎月回してもらう体系です。予算が読みやすく、同じ担当者が続くので、自社の工種や現場の事情を覚えてもらえます。

施工管理の転職市場には季節の波があります。3月に動いて4月に急に落ち込み、ゴールデンウィーク前後に再び動きます。通年で募集を出し続ける会社なら、月額固定は波をまたいで運用を止めずに済みます。

注意したいのは、採用が早く決まっても料金が変わらない点です。年に1名の採用で通年契約を結ぶと、1名あたりの負担が重くなります。契約前に、月額に何通のスカウトが含まれるか、求人原稿の修正は月何回までかを数量で確認してください。

従量課金型

スカウトの送信通数や書類選考の件数に応じて、動いた分だけ支払う体系です。繁忙期だけ手を借りたい会社に合います。

大型案件の受注が決まった直後のように、一時的に採用の山が来る会社と相性がいい払い方です。反対に、採用が長引くと総額が読めなくなります。契約前に、月あたりの上限額を決められるかを聞いておいてください。

成果報酬型

採用が決まった人数に応じて払う体系です。採れなければ大きな費用が出ない安心感がある一方、1名あたりの負担は重くなります。

着手金や最低契約期間が別に決まっている契約もあります。「採用ゼロなら費用ゼロ」と読める説明でも、固定費がかかる場合があるので、契約書の費用の欄を1行ずつ確かめてください。

建設業向け採用代行の3タイプ

建設業で使える採用代行は、建設に特化した会社、業界を問わない総合型の会社、人材紹介と代行の両方を持つ会社の3つに分かれます。どれが優れているかではなく、自社の募集職種と採用人数で合うタイプが変わります。

タイプ得意な職種任せやすい業務向いている会社
建設特化型施工管理・職人職種ごとの原稿・職人向け媒体の運用施工管理と職人を並行して採る会社
総合型事務・営業を含む幅広い職種応募者対応・日程調整建設以外の職種もまとめて頼みたい会社
紹介と代行の両方を持つ会社施工管理募集の運用と紹介の併用施工管理を年に複数名採る会社

建設特化型

建設業だけを見ている会社です。1級・2級・技士補といった資格の違いや工種の違いを、一から説明しなくても通じます。要件のすり合わせにかかる時間が短く済みます。

職人の募集に慣れているかどうかでも差が出ます。助太刀やIndeedの自社運用、オフラインの広告まで回せる会社は限られます。施工管理と職人を並行して採る会社や、工種が特殊で説明が難しい会社に向いています。

総合型

業界を問わず採用の実務を回している会社です。オペレーションの型があり、応募者への対応や日程調整の速さが安定しています。部分的な委託から丸ごとまで選べるので、予算に合わせて範囲を切りやすいのも特徴です。

工種や資格の違いは、依頼する側が要件を文書にして渡すと埋まりやすくなります。事務・経理・営業など、建設業務以外の職種もまとめて外に出したい会社に向いています。

人材紹介と採用代行の両方を持つ会社

紹介と代行を1社で受ける形です。施工管理なら、募集と一次対応は代行で回し、媒体に出てこない方には紹介で接点をつくる、という併用ができます。窓口が1つになるので、候補者の情報が途中で分かれません。

契約で決めておきたいのは2点です。代行の月額と紹介の手数料が二重にかからないか、同じ候補者がどちらの経路で入社したかをどう判定するか。施工管理を年に複数名採る計画があり、媒体だけでは届かない方にも会いたい会社に向いています。TEAM-Xの採用代行で任せられる業務と進め方は、採用代行(RPO)サービスのページにまとめています。

採用代行を選ぶ3つの基準

採用代行の違いは、提案資料を見比べてもなかなか分かりません。差が出るのは、打ち合わせでの受け答えと、見積もりの書き方です。

建設の職種と資格が通じるか

最初の打ち合わせで、次のような質問をしてみてください。

  • 1級と2級の施工管理技士で、任せられる現場はどう変わるか
  • 施工管理技士補をどう扱うか
  • RC造と木造で、候補者の経験はどう違うか

その場で答えが出てこない場合は、要件を文書にして渡す手間が自社側に発生すると見込んでおきます。職人の紹介を提案された場合は、どの許可に基づく話なのかを確認してください。

過去の支援実績を聞くときは、社数ではなく「どの工種で、どの職種を、何名」まで聞くと、自社に近い経験があるかが分かります。

月額に何が含まれるか

見積もりは、業務ごとに数量の入ったリストで出してもらいます。求人原稿の作成本数、修正の回数、スカウトの送信通数、応募者対応と日程調整の件数、レポートの頻度です。

建設業で追加費用が出やすい箇所もあります。職種ごとに求人ページを分けると原稿の本数が増えますし、職人向けに電話での対応を足せば工数が乗ります。どちらも見積もりの段階で入っているかを確かめてください。

契約期間と解約の条件も同時に確認します。最低契約期間があるか、途中で解約するときは何か月前に伝える必要があるかです。

誰が実務を担当するか

提案に来る人と、契約後に運用する人が別なのは珍しくありません。実務を回す担当者の経験と、1人で何社を受け持っているかを聞いてください。

報告の頻度と形も決めておきます。週ごとに「送ったスカウトの通数、返信の数、返信が来なかった理由」まで見えると、止まっている工程が分かります。

進み具合が見えない外注は、金額の高さより不満が大きくなります。人材紹介の例ですが、「料率が高い分、質の高い人材を確実に紹介できる」と説明されて契約したのに、3か月で紹介が1件もなかった会社もあります。外注先を選ぶときは、金額よりも進捗を開示してもらえるかを確かめてください。

採用代行でよくある3つの失敗

ここで挙げる失敗は、どれも契約してから気づき、契約前の書面で防げたものです。

業務範囲が掲載だけで終わる

「採用をまるごとお願いします」で契約したところ、動いたのは求人の掲載だけで、スカウトも応募者対応も別料金だった、という失敗です。

建設業で起きやすいのは、募集職種が施工管理と職人にまたがると業務量が倍になるためです。どちらの職種がどこまで含まれるのかが曖昧なまま始まります。

避け方は、契約書の別紙に業務の一覧を作ることです。各行に「含む/含まない/追加費用」を書き込み、職種ごとに行を分けます。

面接が先延ばしになり辞退される

代行が候補者の日程を押さえても、社内で面接に出られる人は現場にいます。いちばん早い枠がずっと先になることもあり、その間に他社の選考が進みます。

避け方は、週に決まった面接枠を先に確保しておくことです。一次はオンラインで所長以外が対応し、最終だけ事務所に集める形にすると、枠を取りやすくなります。

最終面接のあとも気を抜けません。2週間ほど連絡が空くと、現職の引き止めで候補者の気持ちが冷めていきます。結果を伝える期限も、あらかじめ決めておいてください。

選考の記録が手元に残らない

応募者の一覧、面接の評価、辞退の理由が、すべて代行会社の管理画面にしかない状態です。契約が終わると、手元に何も残りません。次に自社で採用しようとしたとき、どの媒体からどんな人が来ていたのかが分からなくなります。

「丸投げするとノウハウが残らない」とはよく言われますが、残すべきものはデータです。契約前に、応募者のデータと選考記録がどちらのものになるかを決め、自社の採用管理システムかスプレッドシートに毎週書き出してもらう形にしてください。求人原稿やスカウト文面を契約後も使えるかも、同じときに決めておきます。

まとめ

建設業の採用代行は、採用の手数を外に出す手段です。

  • 採用代行が埋めるのは人手と時間で、採否と労働条件の判断は社内に残ります
  • 職種で変わるのは有料の紹介と派遣が使えるかどうかです。施工管理は紹介と組み合わせ、職人は募集の運用を外に出すことが中心になります
  • 契約前に書面で決めておくことは3つです
書面で決めること中身
業務範囲職種ごとに、含む業務と追加費用になる業務
面接の枠と結果連絡の期限週の固定枠と、面接から結果を伝えるまでの日数
データの帰属応募者情報・選考記録・求人原稿の保管場所と、契約終了時の引き渡し方

最初の一歩は、手元の5項目を埋めることです。自社の詰まりが人手なのか、求人の中身なのかが分かれば、外に出すかどうかを決められます。

取締役COO
高谷 匠
「外に頼む前に、社内で決めておくことは残っていないか」
募集職種と採用人数をうかがい、外に頼めば採用が進む状態か、先に社内で決めることがあるかから一緒に整理します。

よくある質問(FAQ)

Q. 採用代行と人材紹介は、どちらから使えばいいですか?

A. 施工管理を年に1名だけ採るなら、人材紹介から始めるほうが費用の見通しが立ちます。紹介は入社が決まったときにだけ費用がかかり、採用代行は運用している期間に費用がかかるためです。

年に複数名を通年で募集し、求人の中身と採用基準がすでに決まっているなら、採用代行で運用を止めないほうが向いています。なお、職人は一般の人材紹介会社に頼めないため、この比べ方は施工管理に限った話です。

Q. 専任の採用担当がいなくても、採用代行は使えますか?

A. 使えますが、社内に窓口を1人決めることが前提になります。採否の判断と労働条件の決定は外に出せないため、代行会社とやりとりする人が要ります。

現場が動いている日中に連絡が取れないと、代行側で判断できない案件が溜まっていきます。総務や経理と兼ねている場合は、報告を週1回にまとめてもらい、その時間だけ確保する形にすると回ります。

Q. 採用代行は、どのくらいの期間で契約するのがいいですか?

A. 期間は一律には決められませんが、施工管理を通年で募集するなら、転職市場の季節の波をまたいで判断できる長さにしておくと、効果を見誤りにくくなります。施工管理の転職市場は3月に動き、4月に落ち込み、ゴールデンウィーク前後に再び動きます。

春の1〜2か月だけで判断すると、4月の落ち込みを代行の成果と取り違えるおそれがあります。最低契約期間と途中解約の条件は、契約前に書面で確認しておいてください。

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この記事の監修者

高谷 匠

高谷 匠TAKATANI TAKUMI

TEAM-X株式会社 取締役COO/一般社団法人建設技能者転職支援協会 代表理事

新卒でリクルートに入社し、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を経て、2025年12月にTEAM-Xへ参画。会社全体の事業戦略と組織構築を統括している。

  • 厚生労働大臣許可「建設業務有料職業紹介事業」(許可番号 27-ケ-30001。制度創設から約20年で全国4団体、関西の団体としては初)を運営する一般社団法人建設技能者転職支援協会の代表理事
  • TEAM-X株式会社 取締役COOとして、施工管理・職人の人材紹介から採用コンサルティング・RPOまでの事業戦略と組織構築を統括
  • 新卒でリクルートに入社後、採用コンサルティング会社HeaRのCOO、アイ・グリッド・ソリューションズのEV事業責任者を歴任
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